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【新型コロナ】塾講師向けロボットを肺検査に活用

検査速度を従来の倍に高め、病院スタッフの負担軽減

エデュゲート(東京都中央区、鈴木博文社長、03・6806・6400)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学習塾向けの講師ロボット「ユニボ」を医療機関向けに展開する。ユニボが顔部分のカメラで、相手の人間を認識できる機能を生かし、病院での受診者の肺機能検査に活用する。受診者への動作指示を代行することで、検査速度を従来の倍に高め、病院スタッフの負担軽減にもつなげる。

ユニボは卓上サイズの大きさ。カメラで相手を認識し、1対1で算数や英語などの学習内容を黒板形式で教える機能を備える。肺機能検査への活用は、岩手医科大学医学部の諏訪部章教授の提案を得て実施する。8月をめどに制御ソフトを新開発し、大学病院で使う。年末から一般病院へも販売する考え。レンタル方式で、消費税抜きの料金は月5万円を予定。2020年度に10台、21年度に30台程度の利用を見込む。

肺機能検査はスパイロメーターと呼ばれる計測器を用い、肺活量や1秒間当たりの吸気量などを測定する。気管支ぜんそくや慢性気管支炎、肺気腫、胸郭異常などの診断に役立つ。

検査ではノーズクリップで鼻を止め、マウスピースをくわえて合図に沿って息を大きく吐き出すなど、受診者がスタッフのきめ細かい指示に従う必要がある。

スタッフは検査中、1人の受診者につきっきりになる上、「1人当たり20分近くかかる例も多い」(鈴木社長)など、現在のようにコロナ感染者対応で病院スタッフの負担が増している状況では、深刻な問題。

ユニボが受診者への動作指示をスタッフの代わりに行うことで、検査を迅速化し、スタッフの負担軽減にもつなげる。


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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
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