「都内自粛率8割」は1日当たり1500人の感染で実現か
自粛率と感染者数の関係性
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、自粛はどこまで進んでいるのかーキヤノングローバル戦略研究所の水野貴之主任研究員らが22日に公表したレポートでは「4月16日に緊急事態宣言が全国に拡大されたが、17日の自粛率は東京都の5割に対して、大阪府は4割、中国地方や東北地方、北海道においては1割程度しか達成できていない」と報告している。「自粛率の地域格差は非常に大きく、地域の実状に合わせた自粛要請が必要である」と提案する。
レポート「流動人口ビッグデータによる地域住民の自粛率の見える化 感染者数と自粛の関係」では、マスメディアなどが焦点をあてがちな中心市街地やターミナル駅周辺の訪問者数の推移から自粛率を算出することの問題を指摘。観測対象外の地域に外出している可能性を排除できないことや、どの地域の居住者が外出を自粛していないのかが不明であるとしている。
レポートではドコモの携帯電話約7800万台の基地局情報から推定されたリアルタイム人口分布を利用して、住宅地からの「外出者数=昼間人口ー夜間人口」を見積もり、各地域の住民の「自粛率=1ー(ある日の外出者数)/(平常時の外出者数)」を見える化した。
コロナウイルス感染者数と自粛率との関係についても言及しており、「東京都での現在の傾向ですと、1日あたり1,500人程度の感染者が出る状況だと自粛率は8割」と予測する。
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