「他社にマネされる商品をつくれ」シャープが数々の“世界初”を生み出した歴史をひもとく

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国産第1号や世界初などの家電製品が年代順に並ぶ

「他社にマネされる商品をつくれ」。シャープ創業者の早川徳次氏の言葉通り、「シャープミュージアム」には“第1号”や“世界初”の言葉が付く家電製品が並ぶ。

その代表格が1953年製の「国産第1号白黒テレビ」だ。館内の展示物は社名の由来となる「シャープペンシル(早川式繰り出し鉛筆)」に始まり、開発した年代順に製品がそろう。ほかにも日本初の鉱石ラジオなどがある。

早川氏は31年にはテレビに注目していた。昼間はラジオの改良、夜はテレビの開発を続けた。戦争で開発は中断したが、戦後に花開いた。国内最初期のカラーテレビや液晶テレビの数々。シャープのテレビ開発の歴史を現物とともになぞれる。同館では「テレビをけん引してきたのはシャープだと伝えたい」(藤原百合子シャープミュージアムチーム参事)としている。

1953年製の国産第1号白黒テレビ

シャープは電子式卓上計算機(電卓)の先駆者でもある。64年に商品化した世界初のオールトランジスタ方式の電卓も館内に鎮座する。当初はタイプライター並みの大きさだった電卓もIC化を経て名刺サイズまで小型化・薄型化した。変わり種は「そろばん」と一緒になった電卓。電卓の黎明(れいめい)期、人々に性能を信じてもらうため、当時計算でよく使われたそろばんを電卓に付けた。

貴重な製品や資料がそろう「歴史館」と、最新技術を紹介する「技術館」で構成するシャープミュージアム。年間来館者数約5000人のうち、3割が学生だ。国内の修学旅行生のほか、米国や英国の学生も訪れる。

2019年からは高等専門学校生を対象にセミナーを始めた。初回はシャープOBがラジオやテレビ、発光ダイオード(LED)の開発で、どのように課題を克服していったかを講演した。

今後は来館者数の3割を占める60、70代の趣味などに積極的な「アクティブシニア」向けイベントにも力を入れる。藤原参事は「ミュージアムに来て面白かったと思ってほしい」と呼びかける。

【メモ】▽開館時間=9時半―16時半▽休館日=土・日曜日と祝日、会社休日▽入館料=一般1000円、65歳以上800円、小中学生300円▽最寄り駅=JR/近鉄「天理駅」▽住所=奈良県天理市櫟本町2613の1▽電話番号=0743・65・0011

日刊工業新聞2020年4月17日

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