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エアバス「A350-1000」の組立開始。初飛行は16年後半

前胴は独プレミアム・エアロテック社、機首は仏ステリア・エアロスペースでスタート。最後はトゥールーズへ
エアバス「A350-1000」の組立開始。初飛行は16年後半

組立が進むA350-1000初号機の機首(エアバス提供)

 エアバスは現地時間9月25日、A350-1000型機初号機の主要部位の組立作業を独ハンブルクと仏サン=ナゼールで開始したと発表した。

 A350-1000は、3機種あるA350 XWBファミリーで最長となる長胴型。前胴は独プレミアム・エアロテック社で組み立てられ、エアバスのハンブルク工場へ送られる。機首は仏ステリア・エアロスペースで組立後、サン=ナゼール工場へ運ばれる。前胴と機首はサン=ナゼール工場で結合され、最終組立工場がある仏トゥールーズへ大型輸送機「ベルーガ」で運ばれる。

 主翼は8月から英国北ウェールズのブロートン工場で製造開始。最終組立は2016年初頭に始まり、初飛行は2016年後半を予定している。初号機の引き渡しは、2017年中ごろとなる見通し。

 A350-1000の全長は73.78メートルで、66.8メートルの標準型A350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス366席で、A350-900の325席より41席多い。航続距離は7950海里(1万4350キロ)、最大離陸重量は268トンとなる。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。

 また、A350-900と最大限共通化しており、ラバトリー(洗面所)やギャレー(厨房設備)の最適化や、新型の機内エンターテインメント(IFE)システムを導入している。A350 XWBは40顧客から782機を受注。このうち、A350-1000は9顧客が169機を確定発注している。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、オプションの残り25機の機種は今後決定する。運航開始は2019年の予定で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。

 エアバスではA350 XWBの増産に向け、ベルーガの後継機「ベルーガXL」を開発し、2019年に就航させる。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
エアバスがA350-1000の組立開始。初号機の初飛行は16年後半を予定しています。A350-1000は3機種あるA350 XWBのうち、もっとも胴体が長い機体です。日本ではJALが777の後継として導入しますが、長距離国際線用機材として導入するとみられます。

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