今日は物理学賞!まもなくノーベル賞発表!日本人有力候補
午後6時半過ぎに明らかに。昨日の大村さんに続き21人目の受賞者は?
いよいよノーベル賞発表の近づいてきた。10月5日の生理学医学賞から始まり、6日に物理学賞、7日には化学賞の受賞者が決まる。日本出身の研究者の受賞はこれまで、生理学医学賞で2人、物理学賞で10人、化学賞で7人。2014年の「青色発光ダイオードの発明」により受賞した3人の研究者に続き20人目の受賞が期待される。自然科学系3分野について、有力な候補者と研究テーマを紹介する。
■生理学医学賞/坂口阪大教授−免疫抑制細胞の役割解明・森京大教授−異常たんぱく質修復解明
近年、世界で注目を集める免疫学の分野。24日に米トムソン・ロイターが日本人有力候補者として名前を挙げたのは、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文(しもん)教授だ。坂口教授は免疫反応を抑える「制御性T細胞」の存在を明らかにし、自己免疫疾患などでの同細胞の役割を解明。自己免疫疾患の治療などへの応用が期待されている。
他分野では、細胞内の小胞体がたんぱく質の異常を検出、修復する仕組みを解明した京都大学大学院理学研究科の森和俊教授の名前を挙げた。森教授は米国版ノーベル賞と言われる「ラスカー賞」を受賞しており、ノーベル賞受賞の期待は大きい。
細胞内のオートファジー(自食作用)の仕組みを発見した東京工業大学の大隅良典特任教授や、脳活動を計測できる「機能的磁気共鳴断層撮影装置」(fMRI)の基本原理を発見した東北福祉大学の小川誠二特任教授も有力とみられている。
■化学賞/藤嶋理科大学長−酸化チタン光触媒・吉野旭化成フェロー−リチウム電池開発
青色LEDが14年の物理学賞の受賞テーマとなったように、近年は実社会でのイノベーション創出につながる成果を評価する傾向がある。その意味で関連市場の規模が1000億円まで拡大した酸化チタン光触媒は、受賞の期待が大きいテーマの一つだ。
東京理科大学の藤嶋昭学長らによる発見を基に、TOTOの抗菌タイルをはじめ多様な用途で実用化されている。同大の光触媒国際研究センターの取り組みにより、作物の水耕栽培における水浄化にも研究開発が広がってきた。屋根やベランダに太陽光を集めて部屋に送る「光道管(こうどうかん)」の開発プロジェクトも、藤嶋学長のアイデアから生まれている。
旭化成の吉野彰フェローらが開発したリチウムイオン電池も受賞が期待されるテーマ。携帯電話やノートパソコン用として普及しており、まさにイノベーションといえる技術だ。もっともリチウムイオン電池の開発では別に米国グループの候補者もおり、日米の研究者による共同受賞の可能性もある。
■物理学賞/梶田東大教授−ニュートリノ振動観測・鈴木岩手県立大学長−反ニュートリノ検出
14年の物理学賞は青色発光ダイオード(LED)の発明に贈られ、日本のお家芸であるモノづくりが受賞の栄に浴した。15年は、昨年とは対照的に、基礎科学の領域に光が当たるかもしれない。
基礎科学で日本が伝統的に強い分野といえば素粒子物理学だ。49年に日本人として初めてノーベル賞を受賞したのは、この分野で先駆的な業績を収めた湯川秀樹博士。以降、65年に朝永振一郎博士、02年に小柴昌俊博士、08年に小林誠博士、益川敏英博士、南部陽一郎博士(米国籍)が受賞している。
近年の成果として、98年に素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で、梶田隆章東京大学教授らが観測した「ニュートリノ振動」が挙げられる。素粒子ニュートリノの質量がゼロではないことを初めて示した。ほかに反ニュートリノの検出などに成功した鈴木厚人岩手県立大学長も候補者。両者とも小柴博士の門下生で、その伝統が受け継がれている。
■生理学医学賞/坂口阪大教授−免疫抑制細胞の役割解明・森京大教授−異常たんぱく質修復解明
近年、世界で注目を集める免疫学の分野。24日に米トムソン・ロイターが日本人有力候補者として名前を挙げたのは、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文(しもん)教授だ。坂口教授は免疫反応を抑える「制御性T細胞」の存在を明らかにし、自己免疫疾患などでの同細胞の役割を解明。自己免疫疾患の治療などへの応用が期待されている。
他分野では、細胞内の小胞体がたんぱく質の異常を検出、修復する仕組みを解明した京都大学大学院理学研究科の森和俊教授の名前を挙げた。森教授は米国版ノーベル賞と言われる「ラスカー賞」を受賞しており、ノーベル賞受賞の期待は大きい。
細胞内のオートファジー(自食作用)の仕組みを発見した東京工業大学の大隅良典特任教授や、脳活動を計測できる「機能的磁気共鳴断層撮影装置」(fMRI)の基本原理を発見した東北福祉大学の小川誠二特任教授も有力とみられている。
■化学賞/藤嶋理科大学長−酸化チタン光触媒・吉野旭化成フェロー−リチウム電池開発
青色LEDが14年の物理学賞の受賞テーマとなったように、近年は実社会でのイノベーション創出につながる成果を評価する傾向がある。その意味で関連市場の規模が1000億円まで拡大した酸化チタン光触媒は、受賞の期待が大きいテーマの一つだ。
東京理科大学の藤嶋昭学長らによる発見を基に、TOTOの抗菌タイルをはじめ多様な用途で実用化されている。同大の光触媒国際研究センターの取り組みにより、作物の水耕栽培における水浄化にも研究開発が広がってきた。屋根やベランダに太陽光を集めて部屋に送る「光道管(こうどうかん)」の開発プロジェクトも、藤嶋学長のアイデアから生まれている。
旭化成の吉野彰フェローらが開発したリチウムイオン電池も受賞が期待されるテーマ。携帯電話やノートパソコン用として普及しており、まさにイノベーションといえる技術だ。もっともリチウムイオン電池の開発では別に米国グループの候補者もおり、日米の研究者による共同受賞の可能性もある。
■物理学賞/梶田東大教授−ニュートリノ振動観測・鈴木岩手県立大学長−反ニュートリノ検出
14年の物理学賞は青色発光ダイオード(LED)の発明に贈られ、日本のお家芸であるモノづくりが受賞の栄に浴した。15年は、昨年とは対照的に、基礎科学の領域に光が当たるかもしれない。
基礎科学で日本が伝統的に強い分野といえば素粒子物理学だ。49年に日本人として初めてノーベル賞を受賞したのは、この分野で先駆的な業績を収めた湯川秀樹博士。以降、65年に朝永振一郎博士、02年に小柴昌俊博士、08年に小林誠博士、益川敏英博士、南部陽一郎博士(米国籍)が受賞している。
近年の成果として、98年に素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で、梶田隆章東京大学教授らが観測した「ニュートリノ振動」が挙げられる。素粒子ニュートリノの質量がゼロではないことを初めて示した。ほかに反ニュートリノの検出などに成功した鈴木厚人岩手県立大学長も候補者。両者とも小柴博士の門下生で、その伝統が受け継がれている。
日刊工業新聞2015年09月29日 科学技術・大学面の記事を一部修正