東北線「5両」編成にワンマン運転導入、安全どう確保する?

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車両側面に取り付けられた上方から斜め方向に扉前を撮影する“車側カメラ”(点線内、JR九州の車両)

JR東日本は14日のダイヤ改正から、栃木・福島県境の東北線で5両編成列車に、運転士1人のみが乗務する「ワンマン運転」を導入する。最新のICT(情報通信技術)を活用して乗客の乗降時の安全性を確保する。ワンマン運転は従来、安全面から原則2両編成までとして運用していた。将来の人手不足に備えて運行人員を最小化することで、労働生産性の改善につなげるのが狙い。同線区を皮切りにワンマン運転の適用拡大を見据える。(取材・小林広幸)

JR東は1―2両編成のローカル線などでワンマン運転を実施。運転士はホームに設置されたミラーを使い、目視で乗降を確認後にドアを閉じて発車。無人駅では降車時に車内で料金収受も行う。

3両以上のワンマン運転で、運転士が料金収受を担うのは困難。車掌に代わってできるのは、乗降時の安全確認、ドア開閉までだ。最大6両でワンマン運転する仙台空港アクセス線では、各駅のホームに監視カメラと映像伝送設備を設け、運転士が車内モニターで乗降時の安全を確認している。このため、設備管理の負担は重い。

JR東の首脳は「安全をどう確保、確認するかが課題だ。新しい技術も出ている」と話す。東北線の黒磯(栃木県那須塩原市)―新白河(福島県西郷村)間で運行するワンマン運転対応近郊車両「E531系」は、乗降時の安全確認を車上で完結させた。車両側面に設けた“車側カメラ”から扉前を撮影して、有線で運転台のモニターとつなぎ、乗降状況を確認する仕組みだ。

同じシステムはすでにJR九州も、香椎線「BEC819系」をはじめ、福岡周辺の近郊車両などに採用を始めている。車両への車側カメラやホーム検知装置の搭載で、省メンテナンスかつ安全性を担保しつつ、ワンマン運転を推進していく。

車側カメラを用いた安全確認手法については、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)も研究に乗り出している。車側カメラの映像から、列車に乗車しようとドアに近づく人の有無を自動判別する技術を開発すれば、運転士の安全確認を補完もできる。

車側カメラによる車上監視はメーカーの仕様によると最大6両まで対応可能。JR東は「編成を伸ばし、地方から首都圏へ段階的に(ワンマン化を)進めたい」(首脳)考え。長編成のワンマン運転には、ホームドア設置を含めて、新たなホーム監視システムの検討が必要だ。ドライバーレス自動運転の実現とともに、全線区でワンマン・オペレーションを視野に入れている。

日刊工業新聞2020年3月5日

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