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1日がかりの作業が2時間に、スマートグラスで遠隔支援

1日がかりの作業が2時間に、スマートグラスで遠隔支援

スマートグラスをヘルメットに装着しハンズフリーで作業できる

ブイキューブは、遠隔拠点間で資料や映像を共有できるウェブ会議システム「ブイキューブ・コラボレーション」と、米リアルウェア製スマートグラスを連携した遠隔作業支援システムの提供を2日に始める。作業員が装着したスマートグラスのカメラ映像を基に、現場監督が遠隔地から作業状況を確認。現場から送られた写真や資料に印を付けて作業を指示できる。料金は個別見積もり。建設や石油化学、電力・ガス業界向けに早期に100社への導入を目指す。

スマートグラス「HMT―1」の重さは約380グラム。ヘルメットや安全帽にも装着できる。Wi―Fi(ワイファイ)ルーターを現場に持ち込むことでブイキューブ・コラボレーションを経由し、フルHD(ハイビジョン)に近い動画や写真を送信可能。音声操作により、ハンズフリーで作業できる。

遠隔地にいる現場監督らは、現場から送られた写真に印を書き込んで作業員のスマートグラスに表示させ、映像や音声で指示できる。マイクやスピーカーは95デシベルの雑音環境でも使用可能。国内防爆認証「TIISゾーン1」に対応したスマートグラスも用意した。

国内の建設現場や石油化学プラントなどで約2年間実証実験を行っており、現場監督が高所などにある建設現場に赴くことなく、現場映像を基に作業を確認できるようになった。作業ミスを防ぐ多重チェックを目的とした2人作業も、本部にいる社員が複数の現場点検を遠隔管理することで効率化。化学プラントの振動センサー取り付け作業は従来、一日がかりだったが、約2時間に短縮できたという。

日刊工業新聞2020年3月2日

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