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VWの排ガス規制不正。日本販売への影響は?

独自のブランド展開を始めたばかり。10万台販売計画に水差す
VWの排ガス規制不正。日本販売への影響は?

正規販売店の女性スタッフの制服

 独フォルクスワーゲン(VW)が米当局に指摘されたディーゼル車の排ガス不正操作問題は、同社の経営を揺るがす事態に発展する可能性がある。制裁金やリコール対策費などの支出もさることながら、 それ以上に深刻なのはブランドイメージの低下だ。販売代理店の離反、販促費の上昇、サービス低下による顧客離れなどの影響も想定される。

 日本市場においても圧倒的な存在感を示してきたVWブランド。輸入車販売では15年連続の首位で 、2年連続で6万台を超えている。しかも日本法人のフォルクスワーゲングループジャパン(愛知県豊橋市)では今年から日本独自のスローガンを設け、ブランド強化活動を始めたばかり。

 スローガンは、同社が長らくタブーとしてきた言葉「ワーゲン」を使い、「ゴキゲン♪ワーゲン」に。ワーゲンはドイツ語で車という意味のため、本社からの反対は強かったが、日本で親しまれてきた言葉のため採用を決めたという。10月からは正規販売店の女性スタッフの制服を統一、「ゴルフ」をイメージしたシンプルなデザインに衣替えする予定でいる。

 日本におけるVWは「ゴルフ」など車ごとの印象が強く、ブランド全体のイメージが薄かった。市場が縮小する中でもブランド強化などの施策で成長余地はあると判断。3―5年後に新車販売で10万台超えを目指す方針を掲げていた。販売店は2018年に333店(現在250店)まで増やす計画で、10万台となれば現在の三菱自動車の国内販売水準(約12万5000台)に近づく。

 日本での輸入車販売は転換期にある。2014年度の外国メーカー車の輸入車新規登録台数は、前年度比6・7%減の28万1766台。消費増税以降、200万円台の低価格帯の車の販売が伸び悩み、5年ぶりに前年度実績を下回った。

 VWも6万台を超えたとはいえ、13・5%減の6万2439台と数字を落としている。今回の不正問題は、日本法人にとって寝耳に水だろうが、今こそ日本独自のブランド戦略と顧客対応で影響を最小限に食い止める必要がある。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
逆にドイツ本社のコントロールが強くなりはしないか。コスト削減圧力も出てくるだろう。ディーラーはどのような反応を示すか。

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