成田第3滑走路建設「スピード感持って対応する」(夏目NAA社長)

国など4者協議会。訪日客の急増やアジアとの競争で「羽田と成田の機能強化が必要」(国交省航空局長)

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4者協議会の森田千葉県知事ら
 成田空港の第3滑走路建設に向け、国土交通省と千葉県、成田市など空港周辺9市町、成田国際空港会社(NAA)は9月17日、第1回目の4者協議会を開いた。第3滑走路の具体案や騒音対策、地域振興策などを議論する。

 第3滑走路については、4月に地元経済団体などが実現に向け、署名と要望書を太田昭宏国交相へ提出。昨年開かれた国交省の有識者会議では、2020年に開かれる東京オリンピック後の施策として、既存滑走路の延長と滑走路の増設を提言している。これらを受け、国交省は成田空港の機能強化の一環として、第3滑走路の整備について検討を本格化させた。

 国交省航空局の佐藤善信局長は、「2020年代には成田と羽田を合わせた処理容量を需要が上回ると予測している。訪日客の急増や近隣アジア諸国の空港との競争が激化しており、羽田と成田の機能強化が必要」と、第3滑走路整備の必要性を説明した。

 NAAの夏目誠社長は、9月中に夏目社長をトップとする組織「成田国際空港のさらなる機能強化推進本部」を立ち上げ、社内で横断的に連携して調査にあたる。

 成田空港の年間発着回数は滑走路2本で30万回だが、2014年は前年比4%増の22万9581回、2014年度としては前年度比1%増の22万8220回だった。夏目社長は「発着枠に対して発着回数は至っていないが、ピーク時間帯は航空会社の要望に応じ切れていない」と、滑走路増設の必要性を訴えた。「日本の経済成長に貢献していくには、年間30万回にとどまらずに拡大が必要」と述べた。

 千葉県の森田健作知事は、4者協議会について「重要な会議のキックオフだと思う。成田を魅力ある空港にし、地域が恩恵を受けるように考えたい」と語った。

 成田市の小泉一成市長は、「成田の機能強化は地域の発展につながるが、騒音や落下物の問題もある。住民は生活環境の悪化を不安視している」と地域の実情を述べ、4者協議会では具体案の提示を求めていく考えを示した。

 今回の4者協議会では、実現のための課題整理と具体化の検討のほか、住民に丁寧な説明を行い、地域の理解と協力を得た上で検討を進めていく方針を4者で確認。地域振興についても、自治体の実務担当者を中心とした場で協議していく。

 一方、現段階では第3滑走路の完成目途は示されなかった。佐藤局長は取りまとめの時期について、「具体的なイメージはないが、NAAにはできるだけ早くと要望した」と述べ、夏目社長は「何をいつごろまでとは言えないが、スピード感を持って対応したい」と、調査方針を語った。

 成田空港は、4000メートルのA滑走路と2500メートルのB滑走路の2本で運用している。第3滑走路の建設候補地としては、B滑走路の北東周辺などが検討されている。

COMMENT

吉川忠行
Aviation Wire
編集長

成田空港の第3滑走路建設について、国や自治体、空港会社が4社協議会。今のところ年間発着回数の上限に達していませんが、ピーク時は航空会社の要望に応じられていないことなどから、滑走路増設を検討します。

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