ニュースイッチ

ベトナムからエアバス最新鋭機がやって来た!

「350-900」まず臨時の代替機で。「(定期便で)日本路線にも投入したい」(ベトナム航空CEO)
ベトナムからエアバス最新鋭機がやって来た!

営業運航としては初めて日本に就航したベトナム航空の350ー900

 ベトナム航空は20日、欧エアバスの中大型機「350-900型機」を営業運航としては初めて、成田国際空港に就航させた。A350-900の日本就航は初。ベトナム航空は機材の更新を加速させており、7月にA350-900に加え、米ボーイング「787-9型機」も受領した。2016年1月には日本路線の定期便に787-9を導入する計画で、最新鋭の機材導入により、拡大する旅客需要に対応するほか、運航やサービスの品質向上につなげる。

 成田空港には、多くの航空ファンが詰めかけ、営業運航としては初めてとなるベトナム航空のA350-900の飛来に、カメラシャッターを押す姿が多くみられた。

 ベトナム航空のA350-900は、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの3クラスで、ビジネスクラスにはシートがほぼ水平に倒れる「フルフラットシート」を導入する。ビジネスクラスのフルフラットシートは、世界の多くの航空会社に導入されており、スタンダードになりつつある。ベトナム航空は最新鋭機材の投入で、こうした世界の趨勢に合わせていく。

 今回のA350-900の日本初就航は、ホーチミン-成田線の臨時の代替機材として導入した。ベトナム航空は15年中にA350-900を4機受領する計画で、定期便では30日からハノイ-パリ線に導入する。機材変更が必要となった場合に、代替機としていつでも日本路線の導入できるよう、国土交通省に対し耐空証明や機材の登録証明などの手続きを進め、初就航にこぎ着けた。

 ベトナム航空のファム・ゴック・ミン最高経営責任者(CEO)は7月の受領セレモニーで、「A350の運航は当面、欧州路線が中心になるが、日本路線にも投入したい」と述べ、基幹路線である日本路線へのA350-900の導入に意欲を示している。ただ現状で、A350-900を定期便に導入するには、日本における機体整備の体制構築が課題となる。

 今回の初就航では、ベトナムから整備士を帯同させる形で対応したが、定期便に導入した場合、全便に整備士を帯同させるのは難しい。ベトナム航空は日本就航時から日本航空(JAL)に整備を委託しており、JALは4年後の19年にA350を導入する。今後、ベトナム航空は定期便の導入に向け、整備士の養成など、JALと調整する方針だ。

 ベトナム航空はA350を10機発注しており、リース契約も含め、今後数年で14機を導入する計画。787-9はリースを含め19機を発注しており、15年中に4機を受領する。日本路線には16年1月1日からハノイ-成田線、2月1日からホーチミン-成田線に導入する。
日刊工業新聞 2015年09月21日 建設・エネルギー・生活面 記事を加筆修正
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
ベトナム航空は当初14年にB787、15年にA350を導入する計画でしたが、B787の納入遅れなどで、ほぼ同時に最新鋭機材を導入することになりました。日本路線の導入には、整備体制の構築が課題となりますが、これだけの機材をほぼ同時並行で導入していくには、パイロットやキャビンアテンダントなど、乗務員の養成が課題になります。

編集部のおすすめ