火星まで3カ月でいける「レーザー核融合ロケット」研究開始

レーザー核融合ロケットのイメージ。レーザー光を使った核融合反応で生じる高エネルギープラズマを磁場で右向きに排出(矢沢サイエンスオフィス提供)

九州大学大学院総合理工学研究院の山本直嗣教授らは、IHIエアロスペース(東京都江東区)などと、高出力で低燃費な「レーザー核融合ロケット」の実現に向けて共同研究を始めた。レーザー核融合ロケットの模擬実験と数値シミュレーションを行い、研究開発を進める。

光産業創成大学院大学や大阪大学レーザー科学研究所、広島大学、米パデュー大学、明石工業高等専門学校が参加する。期間は2023年3月までの3年間。

レーザー核融合ロケットは、推進させるための燃料が入った球状プラスチック容器にレーザー光を当て、生成される「核融合プラズマ」をロケット外に排出することで推力を得る。研究グループが行う実験では、中が空洞の球状プラスチック容器にレーザー光を当てて加熱し、プラズマを発生させる。レーザー光の出力エネルギーを変え、得られる推力の変化量から両者の関係性を導く。阪大が所有する数キロジュールのレーザー光の出力装置を使って研究を進める。

有人での月や火星の探査に向けた研究開発が各国で進められている。核融合プラズマを推進剤とするレーザー核融合ロケットは、他の技術と比べて大推力や低燃費が実現できる。そのため、地球から火星まで数年かかると言われている飛行時間を3カ月間に短縮することが期待できる。

日刊工業新聞2020年1月29日

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