「下期の鉄鋼需要は確実に回復」-。粗鋼生産も前年超えに自信

遅れていた在庫調整も「おおむね正常化した」(柿木鉄連会長)。

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日本鉄鋼連盟の柿木厚司会長
 日本鉄鋼連盟の柿木厚司会長(JFEスチール社長)は16日の定例会見で、10月以降の下期の鉄鋼需要が着実に回復してくるとの見通しを示した。雇用や所得水準の改善に加え、自動車や建設での上積みなど好材料が控えているため。粗鋼生産量も四半期ベースで2700万トン超のペースを回復、維持し、前年同期の水準を上回ると強調した。

 遅れていた在庫調整も「厚板や形鋼はおおむね正常化した。薄板3品も着実に進んでいて、上期(4―9月)中には完了する」と想定。季節要因もあり、下期の需要は上期を上回り、粗鋼生産量も10―12月は前年同期並み、1―3月は前年が悪かったこともあり、プラスになるとした。

 ただ「7―9月で、もう少し良くなると思っていたが、改善のテンポにばらつきがある」とも述べ7月までの想定を微修正。2015年度の粗鋼生産量見通しを「かねて1億700万―800万トンと申し上げていたが、1億800万トンは難しい。何とか1億700万トンに到達してほしい」と目線をやや下げた。

 一方、最近になって鋼材価格の下落が相次ぎ報じられていることに対し、「原料価格は下げ止まっている。賃金や物流費は上昇しており、JFEの社長としては、これを前提に各需要業界と話し合っていく」と、これ以上の下げに抵抗していく姿勢をみせた。

薄板3品在庫減る。メーカーの減産奏功


日刊工業新聞2015年9月2日付


 国内の薄板3品(熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板)在庫が7月末で406万8000トン(速報値)となり、前月末比13万3000トン(3・1%)減少した。減少は2カ月連続で、メーカー各社の減産が奏功した格好。ただ、8月末は夏季休業の影響で例年、大幅に在庫が積み上がる時期であることから、「7、8月をならして数字を見ていきたい」(新日鉄住金薄板企画部)として、メーカー大手は慎重姿勢を崩していない。

 6月末から7月末にかけては過去10年平均で約3万トン減少している。それ以上に大きく減ったことで「メーカーの減産効果が着実に出ている」(同)と評価する。実数が410万トンを下回ったのも2014年2月末以来、約1年半ぶり。

 品種別では熱延鋼板がわずかに同9000トン(0・5%)増えたものの、冷延鋼板が同5万6000トン(7・0%)、表面処理鋼板は同8万6000トン(6・4%)の大幅減となった。販路別では、メーカー在庫が同7000トン(0・4%)の微増となったのに対し、問屋在庫が同5万7000トン(6・7%)、コイルセンター在庫が同8万3000トン(5・8%)減った。

 8月末は過去10年平均で前月末比約18万トン増える。「増えるにしても、どの程度にとどまるかで、これまでの減産の効果が明確に分かる」(同)と見ており、それまでは「在庫調整にめどがつきつつあるとは思っていない」として、4月から続く現行の減産体制を維持していく方針だ。
     
                                     

日刊工業新聞2015年09月17日 素材・ヘルスケア・環境面

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

消費増税後の鋼材需給のダブつきは着実に正常化に向かいつつあるようだ。秋以降、需要が大きく盛り上がるようなインパクトには欠けるが、そう悪くもなさそう。懸念となるのは、中国や韓国からの輸入材の動向か。

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