“加工革命”を実現したニコンの新レンズ
高い光学特性を持ちつつ、自由形状で一度に成形。石英ガラス比べ10分の1に
ニコンは石英ガラスと同等の光学特性を持ちつつ、削り出しをせずに一度で好きな形を作れる、新素材のレンズを開発した。ガラス原料を常温で液状化し、積層によって成形する。従来はガラスの塊から切削や研磨をして形を整える必要があった。加工コストを削減でき、石英ガラスを機械加工した場合に比べて価格を10分の1にできる。2016年4月からレンズの販売をはじめる。
新素材レンズは成形後の後加工なしで、切削・研磨によって加工した石英ガラスレンズと同等の透過性を持つ。製造装置も自社で開発した。レーザーの透過性に優れ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)や自動車向けLEDといった、透過性と耐熱性の両立が必要な用途への展開を見込んでいる。積層方式で成形するため、これまで削り出しではできなかった複雑な形状の部品にも対応できる。従来の樹脂製レンズからの置き換えも狙う。
成形できるレンズの大きさは直径数ミリ―50ミリメートル程度で、加工精度はプラスマイナス0・1ミリメートル。大きさや形状によって異なるが、価格は数百―数千円になる見通しだ。現状の生産能力は直径約10ミリメートルで年産1万個。受注状況によって順次、生産能力を引き上げる。
一般的に高い光学特性を持つガラスは硬くて加工しづらく、削り出して成形する必要があったため、材料ロスが生じていた。また液状にするには温度を1500度Cに上げなければならず、大規模な設備が必要だった。
高い光学特性を持ちつつ、自由形状で一度に成形できるガラスレンズは、今回が初めてだという。従来のガラスレンズは品質が高い一方でコストが折り合わず、用途が限られる面があった。新開発のレンズで用途展開を広げ、事業拡大を狙う。
新素材レンズは成形後の後加工なしで、切削・研磨によって加工した石英ガラスレンズと同等の透過性を持つ。製造装置も自社で開発した。レーザーの透過性に優れ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)や自動車向けLEDといった、透過性と耐熱性の両立が必要な用途への展開を見込んでいる。積層方式で成形するため、これまで削り出しではできなかった複雑な形状の部品にも対応できる。従来の樹脂製レンズからの置き換えも狙う。
成形できるレンズの大きさは直径数ミリ―50ミリメートル程度で、加工精度はプラスマイナス0・1ミリメートル。大きさや形状によって異なるが、価格は数百―数千円になる見通しだ。現状の生産能力は直径約10ミリメートルで年産1万個。受注状況によって順次、生産能力を引き上げる。
一般的に高い光学特性を持つガラスは硬くて加工しづらく、削り出して成形する必要があったため、材料ロスが生じていた。また液状にするには温度を1500度Cに上げなければならず、大規模な設備が必要だった。
高い光学特性を持ちつつ、自由形状で一度に成形できるガラスレンズは、今回が初めてだという。従来のガラスレンズは品質が高い一方でコストが折り合わず、用途が限られる面があった。新開発のレンズで用途展開を広げ、事業拡大を狙う。
日刊工業新聞2015年09月18日 1面