サラヴィオ化粧品は別府温泉に含まれる“藻”の効能を活用した温泉酵素化粧品やヘアケア商品などを開発・販売している。

　同社が発見した「温泉藻類ＲＧ９２」は抗炎症作用などがあり、１月に特許を取得した。名前の由来は、「９２番目に見つけた再生への道」という意味の、「リジェネレーション・ゲートウェイ９２」の略。地域発の商品開発が評価され、ジャパンベンチャーアワード２０１５で、地方創生特別賞を受賞した。

　大量の広告費を投じてブランドイメージを向上するマーケティングではなく、アトピーや薄毛に悩むユーザー向けに「コンプレックス・マーケティング」を展開する。濱田拓也社長は「研究開発に力を入れることで、信頼性・信用度を築く」としている。

８０度Ｃ以上の温泉泥に生息。栄養分は温泉中の有機物

日刊工業新聞2012年01月24日 中堅・中小・ベンチャー面

　サラヴィオ化粧品（大分県別府市、濱田拓也社長、０９７７・７５・８５７５）は、同市内の温泉泥から、抗炎症効果があるといわれる藻類を培養する技術を開発した。藻類が分泌する脂質成分を抽出し、肌荒れ改善を目的とした美容化粧品を４月に商品化する。温泉泥にいる微生物を国内メーカーが培養、商品化するのは初めてという。

　培養する藻類は８０度Ｃ以上の温泉泥に生息し、温泉に含まれる有機物を栄養分とする。藻類を培養する最適条件を整えるため、光量制御などを検討。独自の培養・発酵技術を改良して、通常３カ月かかる培養期間を１週間程度に短縮する技術も開発した。培養後に抽出した発酵エキスはゼリー状に加工、美容化粧品として全国で販売する。ホームページや販売代理店を通じて初年度１億円の売上高を目指す。

　海外ではすでに、藻類の脂質成分が皮膚の炎症を抑える効果があることが確認されている。しかし日本では「熱や放射性物質に注目した温泉療法はこれまで認知されてきたが、泥中に生息する特定微生物を使った治療研究はほとんど行われていなかった」（濱田茂会長）という。

　同社は原料の研究開発から製造販売までを一貫して行う化粧品メーカー。１１年３月期売上高は約１０億円。