<矢島里佳の新聞clip9.19号>再雇用の年齢制限が撤廃されたら

自分と社会との関わりをどう作るのか。会社との関係・働き方も変わってくる

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 1週間の日刊工業新聞の記事の中から3本、気になった記事をセレクト。新聞ならではのセレンディピティー(何かを発見する能力、偶然をきっかけにしたひらめき)の楽しさを伝えて頂きます。

 みなさん、こんにちは。矢島里佳です。
 ウェブニュースは1つずつ興味のあるニュースを読める閲覧性の高さは魅力的です。
けれども、偶然に出会う記事たちが、自分の興味や人生に強く影響をあたえる面白さは、紙新聞ならでは。デジタルの時代だからこそ、アナログの面白さにも気がつく。双方の魅力を和えながらニュースと向き合っていければと思います。

 今週、選んだのはこの3本です。
●改正派遣法が成立へ(期間上限を事実上撤廃=9月11日付)
●東京信金、65歳以降も雇用継続(年齢制限撤廃、経験や知識生かす=9月11日付)
●積水化学工業、自然資本への影響を指標化(「2030年・環境経営」=9月15日付)
 最近再雇用の話題がつきないですが、再雇用の年齢制限を撤廃するというのは珍しいですね。おそらく大事になるのは、年齢制限の撤廃によってできる数年の働き方をどうしたいか、ということではないでしょうか。自分の培ってきたスキルを、若手に伝えるという使命を持って働くのか、ある年齢で退職されたときに、困らない蓄えがあるように稼ぎたいのか、それとも、自分で仕事を作れるような準備をする移行期間と考えるのか。それによっても、会社との関係・働き方が変わってくると思います。より一層、自分の暮らしをどう作るのか、自分と社会との関わりをどう作るのか、考えることが求められるのだと思います。

 改正派遣法について。1年で入れ替え、または正社員雇用を迫られていたこれまでの仕組みよりも、働き手としては、今の私たちの生活に沿った形態になったのではないでしょうか。企業側は、フレキシブルな雇用が実現するなかで、より一層、自分たちの企業のあり方の浸透が重要になってくると思います。派遣社員については、賛否両論の意見が出やすいかと思いますが、今回の改正は、働き方にどのような影響を与えるのでしょうか。

「2030年・環境経営」-積水化学工業


 積水化学工業の高下貞二社長が最も気にかける環境経営の指標が「環境貢献製品」の売上高だ。環境経営グループの阿部弘グループ長は「報告に行くと真っ先に売上高が増えた理由を聞かれる。経営指標として見てもらえている」と話す。
 
 環境貢献製品は同社独自の認定制度。他社にも環境に優れた製品を認定する仕組みがあるが、名称として「環境配慮製品」が多い。有害物質が含まれないなど環境配慮は当然と考え、「お客さまに貢献する積極的イメージを打ち出す」(阿部グループ長)ために“貢献”にした。
 
 【有識者が認定】
 社外の有識者が認定するのも同社独自。第三者からの評価で信頼性や客観性を確保している。カーエアコンのエネルギー消費を低減する遮熱効果のある中間膜(ガラス用素材)、顧客から端材を購入して再利用する「ABSリサイクルシステム」など、2014年度末で109件が登録されている。
 
 14年度の環境貢献製品の売上高は4951億円となり、全売上高の44・5%を占めた。売上高は10年度比63%増、比率は同11ポイント上昇した。売上高が増えるとそれだけ普及し、社会への環境貢献が大きくなったといえる。認定数よりも売上高を重視することで環境貢献と事業成長を両立できる。太陽光パネル搭載住宅は業界トップの16万棟の販売実績があり、事業、環境の両面で貢献している好例だ。
 
 16年度の売上高比率50%が目標。「30年に環境貢献製品を事業の中心にしたいと考え、16年度の目標を設定した」(阿部グループ長)という。より貢献を明らかにしようと14年度から貢献の数値化を始めた。CO2の削減量だけでなく、生物と植物への悪影響の軽減効果も商品別に定量化した。「温暖化抑制以外の貢献にも気づける。営業に使えるか検討している」(同)段階だ。
 
 事業活動が自然資本に与える影響評価も開始した。自然資本とは多様な生物とそれらを育む土壌、水、空気を指し、食物や木材など事業活動を支える資源の供給源。資金と同じように使いすぎると事業を継続できなくなる。
 
 【社会要請に対応】
 同社は事業活動で消費した自然資本と、環境貢献製品など事業で自然資本の回復に貢献したバランスを独自に指標化。14年度は自然資本の消費を100とすると貢献は64だった。「30年度に貢献を100以上にしたい」(同)と思いを語る。CO2以外の環境影響の開示が求められており、自然資本も項目の一つ。同社はいち早く社会要請に対応しようとしている。経営トップが気にかける指標にもしていく。

COMMENT

矢島里佳
和える
代表

積水化学の自然科学資本への影響を指標化する取り組み。経済成長のみを追い求めるのではなく、自然界の恵みがあってこそ私たち人間は生きているということをもう一度思い出し、事業活動が、自然資本へ与える影響を数値化する取り組み、今後注目していきたいですね。私たち和えるも、売上などの従来の数字ではなく、自分たちの取り組みのインパクトを数値化して、示せるようになりたいと考えています。

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