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全作業者が機械の作動状況を把握!オノプラント

連載 「上昇気流に乗れ!航空機産業で頑張る中小企業」(3)
全作業者が機械の作動状況を把握!オノプラント

オノプラントの新工場

 航空機関連事業の拡大に取り組む全国の中小企業特集。第3回目は栃木県上三川町のオノプラントを取り上げる。

生産システムを刷新


 【宇都宮】オノプラント(栃木県上三川町、小野茂樹社長、0285・51・0787)は、自社開発の航空機部品生産管理システム「Times(タイムズ)」を機能強化する。9月の新工場稼働に合わせ、機体メーカーが提供する「長期的な機体の生産計画」や「部品の納期」などに関するビッグデータ(大量データ)を取り込み、機体メーカーの計画に沿った部品の生産計画を作成できるようにする。生産設備の長期的な負荷管理を実施するほか、タイムズが立案した生産計画を機体メーカーにフィードバックする試みも新たに始める。

 タイムズは、生産設備にかかる作業負荷の平準化や加工進捗(しんちょく)の管理などを目的に同社が20年前に開発。本社工場の生産管理に使用するほか、栃木県内の航空機部品メーカー数社も自社システムに採用する。

 タイムズを強化することで、早期の設備負荷の平準化を実現。従来のバッチ処理の生産計画から連続処理の生産計画の立案を可能にする。各マシニングセンター(MC)の加工優先順位は、仕掛かり部品の着工や加工完了を基に算出され、分単位で順位が入れ替わるようになる。このため、各MCに大型モニターを新たに設け、各設備が指示通りの作業を実施しているかなどを全ての作業員が把握できるようになる。

 小野社長は「新工場の稼働でハード面は整う。ソフト面も同時に強化することでコスト競争力を一層向上させたい」との狙いを話す。

 オノプラントは本社工場の隣接地に約4億円を投じて第2工場を建設している。さらに5年後をめどに22台のMCを設備する計画。本社工場には32台のMCを備え、富士重工業を通じ、米ボーイング「737」「777」などの中央翼関連部品などを製造する。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
20年も前から自社で生産管理システムを持っていること自体がスゴいと個人的には思いますが、今回、それをさらに改良するとのこと。品質向上はモノづくりの永遠のテーマですね。

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