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連載「上昇気流に乗れ!航空機産業で頑張る中小企業」(1)三星工業

積極投資で航空機部品の受注強化
連載「上昇気流に乗れ!航空機産業で頑張る中小企業」(1)三星工業

浦川原工場に導入する設備

 成長分野として期待される航空機産業。大手から中小企業まで、全国の企業が関連事業を強化している。ニュースイッチではシルバーウィーク特集として、航空機関連事業の拡大に取り組む全国の中小企業を集中的に紹介したい。第1回は新潟県上越市の三星工業。

4.8億円で工場増築


【新潟】三星工業(新潟県上越市、森本富治社長、025・536・2257)は、浦川原工場(新潟県上越市)の増築工事を完了した。これに合わせ、航空機関連部品の受注活動を本格化し、利益率の高い高付加価値製品を積極的に手がけていく。投資額は建築費と機械設備を合わせて4億8000万円。同工場の売上高だけで2017年3月期に20億円(15年3月期は16億円)を目指す。
 従来の浦川原工場の延べ床面積は2階建てで1876平方メートルだった。今回、1階部分を増築し、3441平方メートルとなる。これまでプレハブなど簡易的な増築で対応していたが、受注が堅調に推移する中、手狭になったほか、航空機部品など新たな展開を図るため増築した。
 設備投資の内訳は建築費が2億8000万円で、機械設備が2億円。数値制御(NC)旋盤や円筒研磨機、複合加工機などを導入するほか、柿崎工場(新潟県上越市)からも設備を移設する。工作機械や産業機械、ポンプなどの部品に加え、航空機の脚部関連部品を生産する。
 一方、柿崎工場には2億2000万円を投じ、横型マシニングセンターやNC旋盤などを導入し、スピンドルユニットの増産体制を整える。
 スマートフォン関連部品の受注が大幅に増加したことから、量産品にも対応できるラインの構築が完了しており、今後、多品種少量の高付加価値製品とともに受注活動を積極化する。これらの取り組みにより17年3月期に全社の売上高を50億円以上(15年3月期は47億円)に引き上げる方針だ。
日刊工業新聞2015年09月17日 機械・ロボット・航空機面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
航空機事業の拡大に挑む全国の企業を特集していきます。

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