新日鉄住金、ハイテンも製造する中国合弁は収益に貢献するか
新生産ライン稼働。自動車用高級鋼板の拠点としては最大規模
新日鉄住金は15日、中国合弁の宝鋼新日鉄自動車鋼板(BNA、上海市)で第4溶融亜鉛メッキラインが稼働したと発表した。年産能力は42万トン。新たに引っ張り強度で1180メガパスカル、980メガパスカル、780メガパスカルの高張力鋼板(ハイテン)の製造が可能になった。特に1180メガパスカル級ハイテンの生産は海外拠点で初めてとなる。
投資額は約11億元(約208億円)。日系、外資系を問わず、主に現地の自動車メーカーに供給。一部は家電や建材用途にも製造する。第4ラインの稼働により、全体の年産能力は167万トンとなり、中国における自動車用高級鋼板の製造拠点としては最大規模となる。
新日鉄住金は海外拠点で毎年100億円程度の利益を積み増していく。ここ数年、現地企業と協業して、薄板や鋼管など最終製品を作る下工程を中心に供給拠点を整備してきた。海外拠点全体で黒字を確保しているものの、収益貢献には力不足だった。海外拠点の収益化で、グローバル展開に拍車をかける。
新日鉄住金の太田克彦副社長は「海外拠点は固定費があり、立ち上げ途上では収益性は上がらない。だが生産量が伸びれば徐々に収益性も上がる。海外拠点全体で毎年100億円の利益を上げていく」とし、早期の収益化に自信を示した。
自動車用鋼板では2013年にメキシコやタイで拠点が稼働し、14年には米アラバマ州にAM/NSカルバートを設立、インドの拠点も稼働した。また中国では宝鋼集団との合弁会社、宝鋼新日鉄自動車鋼板(BNA)の新ラインが15年にインドネシアのクラカタウスチールとの合弁会社も17年に立ち上がる。これにより自動車用鋼板のグローバルでの生産体制は1000万トン規模となる。
今後は中国やインド、インドネシアを軸に拠点の拡充も検討する。中国はBNAの増産を決めたばかりだが、太田副社長は「中国の自動車販売台数は現在の年2300万台から3000万台になるとも言われている。3000万台が現実味を帯びれば増強も検討する」としている。
(文=村上毅)
投資額は約11億元(約208億円)。日系、外資系を問わず、主に現地の自動車メーカーに供給。一部は家電や建材用途にも製造する。第4ラインの稼働により、全体の年産能力は167万トンとなり、中国における自動車用高級鋼板の製造拠点としては最大規模となる。
「海外拠点全体で毎年100億円の利益を上げていく」
日刊工業新聞2014年11月13日
新日鉄住金は海外拠点で毎年100億円程度の利益を積み増していく。ここ数年、現地企業と協業して、薄板や鋼管など最終製品を作る下工程を中心に供給拠点を整備してきた。海外拠点全体で黒字を確保しているものの、収益貢献には力不足だった。海外拠点の収益化で、グローバル展開に拍車をかける。
新日鉄住金の太田克彦副社長は「海外拠点は固定費があり、立ち上げ途上では収益性は上がらない。だが生産量が伸びれば徐々に収益性も上がる。海外拠点全体で毎年100億円の利益を上げていく」とし、早期の収益化に自信を示した。
自動車用鋼板では2013年にメキシコやタイで拠点が稼働し、14年には米アラバマ州にAM/NSカルバートを設立、インドの拠点も稼働した。また中国では宝鋼集団との合弁会社、宝鋼新日鉄自動車鋼板(BNA)の新ラインが15年にインドネシアのクラカタウスチールとの合弁会社も17年に立ち上がる。これにより自動車用鋼板のグローバルでの生産体制は1000万トン規模となる。
今後は中国やインド、インドネシアを軸に拠点の拡充も検討する。中国はBNAの増産を決めたばかりだが、太田副社長は「中国の自動車販売台数は現在の年2300万台から3000万台になるとも言われている。3000万台が現実味を帯びれば増強も検討する」としている。
(文=村上毅)
日刊工業新聞2015年09月16日 素材・ヘルスケア・環境面