リゾート戦略に沸くハワイ、ホテルも進化
ハレクラニの姉妹ホテル「ハレプナ ワイキキ」のベーカリー(ハレクラニコーポレーション提供)
5月にANAがエアバスA380のハワイ便を導入した。同社の国際線戦略は、ビジネス利用の多い都市に限ると言われていただけに、リゾート戦略にかじを切ったと話題になった。ベッドに早変わりするカウチシートもファミリー層に好評だ。迎え撃つJALとハワイアン航空も共同事業の計画を進めている。
年間150万人の日本人が訪れるハワイは地方都市からの直行便も多く、人気を後押しする。11月にはハワイアン航空による週4便の福岡ホノルル便が就航したばかりだ。ますます身近になったハワイへの旅を計画されている方も多いのではないだろうか。
ハワイの代表的なホテルと言えば、かの地で100年以上の歴史を誇るハレクラニだ。プールの底に描かれたカトレアは、まさにハワイのイメージとして人々に記憶されている。「天国にふさわしい館」という名前のこのホテルが、今年の7月に沖縄に進出し、大きな話題を呼んだ。そのハレクラニの姉妹ブランドとして、「ハレプナ ワイキキ」が10月にワイキキにオープンした。
ハレプナの空間デザインは、ハレクラニブランドのアイデンティティーを継承した白とグレー、ベージュ、ブルーの落ち着いた色調でデザインされ、美しい外の景色がより際立つように計算されている。
このホテルの話題の一つが、ホテル1階の「ハレクラニ ベーカリー&レストラン」だ。ベーカリーには、日本の帝国ホテルのパン職人が赴任し、オリジナルのパンの開発や、高い技術のパン作りを伝授したそうだ。ワイキキで数少ないおいしいパンが買える、食べられると早くも評判を呼んでいる。ニューヨークやロンドンにあるような洗練された店舗のデザインとともに注目が集まりそうだ。
冬のハワイと言えば年末年始が話題になるが、クリスマスもぜひ体験してほしい。ホワイトクリスマスとはいかないが、ホテルには大きなクリスマスツリーがお目見えし、街にはクリスマスソングが流れる。電飾のイルミネーションが、港のヨットや船にも施され聖夜を彩る。
この季節にハワイを訪れたなら、南国のクリスマスを楽しんでほしい。(西谷直子・三井デザインテック・コミュニケーション・エディター)