ボーイング、中国工場を検討 米誌報道

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6月の「パリ航空ショー」で737シリーズの最新モデル「737MAX」について語るボーイングのスコット・ファンチャー民間航空機部門上級副社長(日刊工業新聞社撮影)
 米ボーイングが小型旅客機「737」の最終組立工場を中国に計画していることが14日までに分かった。9月下旬の習近平国家主席の訪米に合わせて発表する見通しという。同社が米国以外に旅客機の組立工場を持つのは初めて。航空機の「現地生産化」を進める欧エアバスに対抗する狙いがありそうだ。

 米専門誌アビエーション・ウイークなどの報道で明らかになった。ボーイングはこれまで、日本企業などに機体製造の多くを委託する一方、最終組立工場は、米ワシントン州で737をはじめとする旅客機を製造。中型旅客機「787」は同州のほかサウスカロライナ州に製造拠点を置くなど、米国内の立地にこだわってきた。

 ただ、最近では機体の買い手への融資保証を手がける米輸出入銀行の存廃問題に絡み、同社首脳が生産の一部海外移転に言及するなど姿勢が変化していた。

 欧エアバスは2008年から中国天津市で小型旅客機「A320」を製造するほか、米アラバマ州に建設中の同機種の最終組立工場を14日に稼働した。両社とも機体の増産計画を進めており、需要地の近くで飛行機を作る流れが加速しそうだ。

日刊工業新聞2015年09月15日3面

COMMENT

「ボーイング、お前もか」――。ボーイングが機体の最終組立工程の一部を、中国に移す計画を進めているようだ。これまで同社は、ワシントン州シアトルに構える主力工場から米国のほかの州に拠点を移そうとするたび、労働組合から猛烈な反対にあって断念してきた。787の生産で、やっとこさサウスカロライナ州に第二ラインをつくることに成功したところなのだ。中国に生産を移すとなると、労働組合どころかアメリカの世論全体の反発も受けるかもしれない。ボーイングとは、政治的な銘柄でもある。 この時期に中国移転の話が出てくるあたり、ボーイング経営陣の焦りが見え隠れする。エアバスは中国や米国に工場進出し、小型機「A320」で世界の空を席巻している。ボーイングはまだ公式にコメントしてないが、否定することもしていない。9月も下旬になれば、もう少し具体的な姿が見えてくるはず。

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