泥水の中もなんのその、点検ロボが排水溝を行く
サンリツオートメーションなど開発
サンリツオートメイション(東京都町田市、鈴木一哉社長、042・728・6121)と愛知工業大学、東京都立産業技術研究センターなどは、水や泥の中で運用できる点検ロボットを開発した。水に漬かった状態で30分以上耐えられる。人が入れない排水溝や下水管などの点検に提案。改良を重ね、インフラ点検事業者へレンタルやリースなどの形式で提供していく。
前後に補助クローラーを搭載し、段差を乗り越えやすい機体を設計した。前後のカメラの映像で操縦し、レーザーセンサーで下水管などの内径や形状を測る。管が縦方向につぶれるなど、歪みや変形を捉えてメンテナンス計画に反映する。
機体の大きさは幅39センチ×長さ72センチ×高さ40センチメートルで、機体の角度センサーで配水管の傾斜を1度単位で測れる。水路のコンクリート構造体の角度やつなぎ目の角度を測って排水性を確認する。幅60センチメートル以下の排水溝は人間が入ることが難しく、また酸素量やガスが滞留していないか確認する必要があった。点検ロボの導入でこうした問題を解決できる。
機体は水に15センチメートル漬かった状態で30分以上耐える防水性を備えた。泥などの細かい粒子の侵入にも対応した。
点検の結果を報告書にまとめるリポート作成システムも用意した。調書の作成作業を効率化する。東京電機大学やNEXCO中日本グループの中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋(名古屋市中区)などと開発した。走行や調査性能を確認できたため商品化を進める。
日刊工業新聞2019年12月5日