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お台場がロボットのメッカに!

文科省が15日に協議会立ちあげ。自動走行や翻訳を実証
 文部科学省は2020年に産学官のロボット実証試験を東京のお台場地区で実施するための協議会を15日、立ち上げる。自動運転車による走行や一人乗りロボットの活用、多言語翻訳ロボットが観光客をサポートするといった、人がロボットを高度に使いこなす社会を具体化する。日本の科学技術を国内外に発信する場として整備を図る。

 「ユニバーサル未来社会推進協議会」の会長は鈴木寛東京大学教授(文部科学大臣補佐官)が就く。15日に文科省内で第1回会合を開く。参加する民間企業は10社程度を想定し、現時点では公道では行えない自動車による自動走行や、訪日外国人や聴覚障害者が言語の壁を感じない自動翻訳ロボットなど、実証アイデアを公募する。

 同地区に一般向け施設を持つトヨタ自動車パナソニックなどの参画を期待する。事務局は千葉工業大学未来ロボット技術研究センターなどが担当する。

 お台場地区の江東区青海には文科省所管の日本科学未来館、経産省所管の産業技術総合研究所臨海副都心センターが隣接しており、これらの建物内外を活用する。

 政府は改訂日本再興戦略の「改革2020」で、東京オリンピック・パラリンピックで、先端ロボ技術によるユニバーサル未来社会をみせるという目標を掲げる。今後、文科省はお台場で、経済産業省が羽田空港などで翻訳ロボットや手荷物運搬ロボットなどの実証実験を行う計画。

五輪でロボット体験 政府が成長戦略に盛り込む


日刊工業新聞2015年6月18日付


 政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に、先端ロボットの実演など近未来社会を体験できるスペースを東京・台場や全国各地の空港に設置する。訪日外国人が多数訪問する五輪期間中を見据え、道案内や多言語翻訳ができる「おもてなし」ロボットや自動運転車などを導入する。ロボット化社会を世界に向けてアピールするほか、導入した技術や仕様を世界標準として確立することも視野に入れている。6月末改定の政府の成長戦略に盛り込む。
 
 計画では、16年度中にロボットの具体的な活用手法の公募やルール整備を行い、事業者を選定。実証試験を進めながら、20年に先端ロボットを試験的にお台場など各地に導入する。具体的には、道案内などのコミュニケーションロボット、パーソナルモビリティや自動車いすを含むシェアードサービス型自動運転車、荷物の運搬を助けるアシストスーツなどの導入を想定している。ロボットが移動しやすい「ロボットバリアフリー」社会などインフラ開発も検討する。
 
 五輪開催後は、導入した技術や固めた仕様などが国際標準となるように、働きかけていく。五輪会場が多く設置されるお台場や青海周辺は水素エネルギー社会の導入が進むなど、先端技術を訪日外国人に発信するショーケース化の構想がある。また同地域で高度な自動運転を可能とする高精度地図の作製が政府主導で始まっている。

 空港は日本の玄関口として訪日客の第一印象に影響を与える。成田空港では日本の先端のトイレが設置されるなど文化や技術のショーケースとして機能しつつある。

日刊工業新聞2015年09月08日1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
せっかくなら近未来ロボットをザハさんにデザインしてもらいましょう。

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