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おしっこのデータを簡単に家庭で

村中医療器など携帯式尿流量計を製品化。4段階で排尿満足度を自己評価
おしっこのデータを簡単に家庭で

携帯式尿流量計(P―Flowdiary)

 村中医療器(大阪市中央区)は、排尿障害の患者が家で気軽に排尿データをとることができる「携帯式尿流量計(P―Flowdiary)」を産学官で共同開発した。24日から病院などに発売する。消費税抜きの価格は本体が58万円、専用タブレット(統計支援ソフト付き)が10万円、消耗品の受尿カップが250円。初年度100台の販売、売上高6000万円を見込む。

 自宅で受尿カップに排尿するだけで排尿の量や時間、尿流量などを自動的に測定できる。排尿後に前面の音声ガイド付きボタンで「良い」から「悪い」まで4段階で排尿満足度を自己評価で記録する。

 数日間測定したデータはSDカードに保存。医師が測定結果を統計支援ソフトで解析し、診察時、患者にみせながら説明できる。「医療機器クラスI」の承認を受け保険が適用される。

 「携帯式尿流量計」は2013年度の経済産業省の課題解決型医療機器等開発事業、14年度の医工連携事業化推進事業の採択を受け産学官で開発に着手。奈良県立医科大学のニーズを開発・製造担当のマイクロニクス(京都府久御山町)、受尿カップを供給する不二精機と協力し製品化した。

 前立腺肥大症など排尿障害患者は、全国で男女合わせて1300万人以上いると言われている。平尾佳彦奈良県立医科大学名誉教授は「高齢者の尿検査の負担を軽減するとともに、正確なデータを治療に役立たせたい」としている。
日刊工業新聞2015年09月10日 ヘルスケア面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自己評価が統計支援ソフトでどう反映されるのだろう?

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