赤字の孫さん、ファンド運営の失敗報道「さざ波」と豪語

2号ファンドへ「反省しすぎて萎縮する必要はない」

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は6日、2019年4―9月期の連結営業赤字の要因となったビジョン・ファンドについて「5000社あるベンチャーキャピタルの中で10勝0敗の会社はない。反省しすぎて萎縮する必要はない」と述べ、運営方針を変更しない意向を示した。

 孫氏は「ビジョン・ファンドは3勝1敗の成績」とし、世界のベンチャーキャピタルの内部収益率(IRR)の平均13%の2倍近いIRRがあると強調した。

 今後予定するビジョン・ファンドの第2号ファンドについては「慎重に考えざるを得ないとする顧客もいるが、変更なしの顧客もいる。一切合切含めて1号案件と同じ規模(運用額約10兆円)になるのでは」と語った。

 ウィーカンパニーの経営再建については拠点新設の一時停止、不採算事業の整理で2年後までにV字回復させる意向を示した。ウィーは毎年拠点を倍増させたが、稼働率が低い開設半年未満の拠点が全体の4割を占め、当期赤字の要因となっていた。拠点新設の凍結により、開設1年超で稼働率約9割の拠点の割合を2年後に9割以上へ高める。

4―9月期、営業赤字155億円


 ソフトバンクグループ(SBG)が6日発表した2019年4―9月期連結決算(国際会計基準)は、営業損益が155億円の赤字(前年同期は1兆4207億円の黒字)に転落した。運用額10兆円規模のビジョン・ファンドとデルタ・ファンドからの営業損失が5726億円あった。(総合3に関連記事)

 巨額投資した米シェアオフィス大手ウィーカンパニー(ウィーワーク)や米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズの企業価値減が響いた。

 ウィーカンパニーは上場時の想定評価額が大幅に下げられた影響もあって9月に予定していた新規株式公開(IPO)を延期し、資金繰りが悪化。SBGはウィーカンパニーに最大95億ドル(約1兆円)の支援を行うが、主力であるファンド事業のてこ入れが不可欠となった。
                                 

                    

日刊工業新聞2019年11月7日

  

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