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【今週のリケジョ】ラボから量産にやりがい感じる

東洋合成工業・武士由希さん
【今週のリケジョ】ラボから量産にやりがい感じる

東洋合成工業の武士由希さん

 東洋合成工業の武士由希さん(31)は、半導体デバイスの製造工程で使われるフォトレジストの原料製造に携わる。ラボレベルの製品を量産化段階まで高めることが主な仕事で、「工場で担当した製品が安定して作られているところをみると、やりがいを感じる」と仕事の楽しさをかみしめる。

 理系科目やモノづくりが好き。将来は目に見える形で世の中に貢献できる仕事に就きたいと考え、何かを合成して物質を作る化学分野に興味を抱きました。神奈川大学大学院では応用化学領域を専攻し、機能性高分子の研究室へ。やりたいことができて、研究の基本的な考え方などを生かせる東洋合成工業を選びました。

 入社して、現在も所属する感光材研究開発部に配属。当社の製品は顧客ごとにカスタマイズする多品種少量生産です。半導体関係の技術が精密化する中で厳しい品質が求められるようになりました。スピード感を持って開発しつつ、精度の良さも追求しています。

 4年目のころ、製造中に品質トラブルが発生。手直しをしたものの、売り物にできなかったという悔しい経験をしました。自分の仕事が工場全体に影響し、どれだけ責任のある仕事を任されているかを実感しました。製造現場では季節差なども考慮し、低コストで作りやすく、品質の良いものを安定して作る必要があります。現場を知る重要性を感じ、試験や生産の現場に自ら立ち合うようにしています。求められることは多いですが、その分やりがいも大きいです。現在は主任としてグループを率いる立場になりました。1人ではなく、他部署との連携が不可欠。自身の専門性を高めつつ、チームの運営方法を考える中で積極的に関係部署を巻き込んでいきたいです。

 休日は近所の植物園などで、花を見るのが楽しみです。(文=大串菜月、写真=木本直行)
日刊工業新聞2019年11月4日(リケジョ)

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