ゼロから建てる&イチから変える、「稼げる工場」づくり

おすすめ雑誌の本文抜粋「工場管理 2019年10月臨時増刊号」

これまでの工場の基本機能


 これまでの工場には何が求められていたのか。たとえば、次のようなスローガンを掲げて生産活動を行っている工場が多いのではないだろうか。

<こんな工場を目指そう>
 ・ 安全、ゼロ災工場
 ・ 品質の高いモノづくりができる工場
 ・ 生産性の高い高効率工場
 ・ 納期を守れる工場
 ・ 改善活動が活発な工場
 ・ できる限りお客様の要望する仕様、品質、納期、価格に応えられる工場

 日本の工場は、大量生産時代から多様化が進み、多品種生産へのシフトを余儀なくされた。それでも、多品種対応は、「技術大国ならでは」「当社ならでは」の強みととらえ、高い品質、高い生産性、そして高い利益率を目指すことをミッションとしている企業が多い。
 しかしながら、日本の製造業を取り巻く環境は、大変厳しくなってきている。ゆえに今後は、これまで目指してきた工場のあり方に加え、これから起こるさらなる環境の変化に耐えうる工場を目指さなければならない。


高効率高品質だけでは不十分


(1)今以上の安全・安心・働きやすさ
 基本的なところでは、従業員を選んで採用する時代から、自社を選んでもらい、働いてもらう時代になっていく。高齢者、女性、外国人、短時間パート、曜日限定パートなど、今以上に働き方、体力、考え方の異なるさまざまな人で、生産活動を行っていく必要が出てくる。いろいろな人が働く職場となるために、今よりさらに、安全・安心に働ける工場にする必要がある。

(2)「効率的な技能習得」を可能にする
 また、これまでの熟練者の勘と経験に頼ったモノづくり、あるいは時間をかけて技能を習得するモノづくりから、生産性向上のために、誰でも早期に一定レベルの技能を習得できるようにするための対策が必要となる。作業手順をわかりやすく説明する動画マニュアルなどの教育ツールの導入や、多能工化を計画的に進めるカリキュラムの体系化、技能教育訓練場所の整備などが必要といえる。

(3)マネジメントの効率化
 作業者だけでなくマネジメント人材の不足にも備え、生産管理・品質管理をはじめ、さまざまな管理を効率的にこなすためのシステム化、AI化などを進めることも必要だ。少数のマネジメント人材で、離れた場所からでもこれまで以上に迅速かつ的確な指示・判断ができるよう、カメラ、モニタ、ICタグなども整備していきたい。

(4)働きがいある職場へ
 製造業の管理職の方々と話をすると、「良い人材、やる気のある人から辞めていく」といったことをよく耳にする。貴重な人材を失わないためには年功序列の人事評価から、海外諸国と同様の能力評価をきちんとしていくことも必要だ。そしてさらに、従業員が 「やりがい」を持てる職場環境を、今以上に整備していくことである。休憩室、食堂、学習室などの整備に加え、有給の取りやすさなどにも配慮した職場づくりが必要だ。図に、次世代の工場がどう変わっていくのか、ポイントとなるトピックをまとめた。

図 「これまでの工場」と「次世代の工場」


書籍紹介
書名:工場管理 2019年10月臨時増刊号
【特集】ゼロから建てる&イチから変える 稼げる工場づくり実践テク

著者名: 多田夏代 著
判型:B5判
総頁数:128頁
定価(税込):1,980円


著者紹介
多田 夏代(ただ なつよ)
株式会社ZERO1 代表取締役社長
ICMCI(国際公認経営コンサルティング協議会)認定コンサルタント
(社)日本能率連盟認定マスターマネジメントコンサルタント

防衛省で防衛装備品(電気通信機器・特殊車両・航空機・武器弾火薬等)の原価積算を10年担当。その後、経験を活かし、製造系コンサルティング会社にて、製造の機能的改善・調達コストダウン・原価管理を得意領域とする実践派工場コンサルタントとして、17年の経験を積み、多くの企業を支援。2017年に製造系コンサルティング会社「ZERO1(ゼロワン)」を起業し、工場収益改善を行っている。現在、訪問工場・事務所数は、170カ所を超えている。


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目次抜粋
第1章 製造業を取り巻く環境
製造業の今と未来
工場立地の現実と投資の重要性

第2章 次世代の工場とは
品質向上の考え方と手段
従業員満足度の向上

第3章 正しい現状把握からの工場づくり
科学的に現状を把握する
【事例】増設しなくても生産性を向上できた
KPIの整備

第4章 次世代工場をつくるための体制
次世代工場をつくる体制
次世代工場は「ナカ」を重視

第5章 着手前の事前チェック
立地場所をチェック
関連法規のチェック
【事例】2階建てと3階建て、新工場建設でメリットが多いのはどちらか

第6章 次世代工場へのシナリオ
次世代工場完成までの流れ
全体スケジュールを立てる
新工場コンセプトを決定する
新工場の基本構想

第7章 次世代工場をつくる「ナカ」編
現場改善案を出し切る
【事例】コンベア生産は有効なのか?
モノの流し方・生産方式を決める
外注政策を考える
【事例】ビジネス・プロセス・アウトソーシングを実施し、生産量を2倍に向上
付帯施設の検討
【事例】「自動倉庫は人手がかからない」は本当か?また、そもそも必要なのか?
新システムの検討
【事例】各設備の生産計画と実績管理に高額システムは必要なのか?
詳細レイアウトを決める

第8章 次世代工場をつくる「ソト」編
建設プロセスを理解する
全体スケジュールの決定
後発的コスト発生の抑制
【事例】最短で最新鋭の新工場をつくる!!18カ月で計画~設計~建設~生産開始を実現


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工場管理 2019年10月臨時増刊号

  

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