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産学連携拠点に認証制度、経産省と文科省が初導入の理由

研究開発を集中支援
 経済産業省と文部科学省は、産学連携拠点の競争力を評価する認証制度を2019年度内に創設する。産学連携拠点の独自性・成長性を割り出す評価基準をつくり、20年度から認証を始める。20年度以降には評価を格付けして示すことも検討する。有力拠点には研究開発費などで集中的に支援する。政府が“お墨付き”を与えることで、産学連携拠点の信用力を高めるとともに、拠点間の競争を促し、研究開発の活発化やイノベーション創出につなげる。

 地域クラスターの中核を担っている産学連携拠点が評価の対象になる。評価基準は、産学連携拠点の活動資金に占める企業からの資金獲得割合など、競争力を示す複数の項目を設定する。認証した企業に対し、研究開発費の補助や関連施策への優先採択といったインセンティブを提供する。認定を受けたことを示すロゴ「認定マーク」を作成し、産学連携拠点に対して利用を許可する。20年度以降には拠点を格付けして示すための評価方法も取り入れる考え。

 経産省と文科省が産学連携拠点の認証制度を導入するのは今回が初めて。海外ではドイツが産業クラスター向けに同様の制度を導入しており、クラスターの活動の質や成果向上につながっている。

 第4次産業革命時代に入り、自前主義から脱却し、産学がより一体となって研究開発に取り組む重要性が高まっている。産学連携拠点に認証制度を導入することで、有力拠点におけるイノベーション創出を後押しする。
日刊工業新聞2019年9月23日

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