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人工知能でビルを省エネに

高砂熱学が新サービス、16年度開始
 高砂熱学工業は人工知能(AI)と無線センサーを活用して工場やビルの消費エネルギーを削減するサービスを2016年度に始める。工場の機械やビルの各所に数百個の無線センサーを設置し、温湿度、電流などのデータを収集。AIが分析して空調機器の最適な運転方法を導き出すことで、年間エネルギー消費量を数%削減できると見込む。少ないサービス人員で効率的に省エネを実現できる。AIなど先端技術の活用が省エネにも広がり始めた。
 
 省エネ関連の自社のノウハウを入力したAI搭載の設備管理システムを開発した。9月以降、病院、駅、工場などで無線センサーと組み合わせた実証実験を実施し、運用実績を基にサービス化する。

 メーカー各社から調達した新型無線センサー各種を工場の機械や建物の地点ごとに設置する。温湿度、電流、二酸化炭素(CO2)、照度、流量、振動のデータを収集し、機械の使用電力や建物内の温度のムラなどをリアルタイムに把握できる。AIが有線センサーを含むデータを解析・評価して空調機器の運転方法の改善を提示する。

 施工物件の運用管理を手がける子会社高砂丸誠エンジニアリングサービス(東京都渋谷区)が提供し、年間30件の契約を目指す。正式な料金体系は今後決めるが、月額制や成果報酬型など初期費用が少なく、導入しやすい方式を見込む。

 高砂熱学は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、技術研究組合NMEMS技術研究機構による共同研究事業「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」に参加し、14年度までの4年間、無線センサーによる省エネ支援を研究してきた。
日刊工業新聞2015年09月03日機械面
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
 こういう省エネシステムは、これまでもあったのではないかという気もする。たぶん、空調機器メーカーでもやっているだろうし、ビル制御システムメーカーでもやっているだろう。  従来型と何が違うのかというと、おそらくセンサーの数や種類が多くなってきめ細かく現状を把握できるようになるということと、人工知能(AI)を使うということだ。たぶん。  ではAIとはどんなシステムなのか。そこがよくわからない。まさか単なるバズワードでもないだろう。私の勉強不足。  また、この記事ではやたら無線センサーを強調しているが、制御システムのネットワークをどう無線化するかという話は、また別の、それはそれで重要なテーマになると思われます。(そして写真がひどい)

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