<矢島里佳の新聞clip9.3号>連邦経営で“考える支社”に

遠い本社より現場での決定がよい効果を生む

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 1週間の日刊工業新聞の記事の中から3本、気になった記事をセレクト。新聞ならではのセレンディピティー(何かを発見する能力、偶然をきっかけにしたひらめき)の楽しさを伝えて頂きます。

 みなさん、こんにちは。矢島里佳です。
 ウェブニュースは1つずつ興味のあるニュースを読める閲覧性の高さは魅力的です。
けれども、偶然に出会う記事たちが、自分の興味や人生に強く影響をあたえる面白さは、紙新聞ならでは。デジタルの時代だからこそ、アナログの面白さにも気がつく。双方の魅力を和えながらニュースと向き合っていければと思います。

 今週、選んだのはこの3本です。
●リコーリース「イクメン」後押し(男性社員は必ず育休取得=8月28日付)
●幹部候補に災害対策の経験積ませよ(きょう防災の日=9月1日付)
●「連邦経営で日本一へ」(損保ジャパン日本興亜社長=9月1日付)
 二宮さんのインタビュー記事。本社からの指示で動く支社ではなく、必要な権限を渡すことで、各地区本部が自分たちで考える動きが出てきているということに注目したい。地区の特性をしっかり掴み、活かすことで、現場から遠い本社より、現場での決定がよい効果を生む可能性がありますね。

二宮雅也社長インタビュー「各地域の特色が出始めている」


 損保ジャパン日本興亜が発足して1年を迎えた。国内損害保険業界で首位となった新会社では、全国16の地区本部に人事や予算権限を移し、地域単位で最適な経営戦略を実践する”連邦経営“へと体制を大きく変えていった。この1年の成果と2年目の豊富を二宮雅也社長に聞いた。

 ―合併から1年が経過しました。これまでの手応えは。
 「新会社発足時、ビジョンを実現する最重要戦略に『お客さま評価ナンバー1』を掲げてきた。全国16の地区本部が各地域でシェア1位になることで結果として日本一になる。これを原動力に世界で戦っていくのが我々の目指す姿。足元では36都道府県でマーケットシェア1位をとることができた」

 ―連邦経営の成果は大きかったようです。
 「従来のように本社からの指示の枠内で努力するのではなく、各地域で顧客の評価を高めるために何が必要なのか。必要な権限も渡すことで各地区本部が自分たちで考えて戦略を実践してくれるようになった。4月には本社内に現場を包括的に支援する地区サポート部も新設した。各地域での特色も出始めており、順調にきている」

 ―商品やサービスの多様化も進めました。
 「業界初の特色ある商品を出すことができた。16年には防災・減災対策として、災害発生時に家族の安否確認ができる機能などを盛り込んだサービスを展開する。また、日常生活で生じた法的トラブルの解決に要した弁護士費用を補償する商品も15年末には投入する。今後も業界初にこだわっていく」

 ―統合メリットの評価は。
 「組織体制を変えたことのほかに、現実的なシナジーとして固定費用削減の効果などが出てきた。14年度は318億円の実績、15年度は約500億円を見込んでいる。当期利益は15年度予想が1280億円。シナジーもあり、1000億円の利益が出せる会社になったことの意義は大きい」

 ―2年目に向けた取り組みは。
 「すべての原点は顧客の評価1位を取ること。これを実現するために個別具体的な戦略が出てくる。全国でシェア1位を獲得できていない地域もある。今まで以上に顧客から評価を高め、日本一にこだわっていきたい」
 
 【記者の目/全国制覇に向け新たな挑戦】
 「変化への挑戦を恐れないでほしい」。二宮社長はこの1年、全国を行脚しては、従業員に変革を繰り返し促してきた。この成果もあってか、全国36都道府県でシェア1位を獲得するに至った。ただ、足元では競合の東京海上日動火災保険の猛追もあり、安閑としていられない。健全な競争が変革を促す面もある。全国制覇に向けて2年目の新たな挑戦が始まっている。
(聞き手=杉浦武士)

COMMENT

矢島里佳
和える
代表

 「イクメン」後押しに付いて。育児休暇を男性も取得するようにという働きかけを行う会社は多いですが、必ず取得させるというのは珍しい取り組みですね。報告書の提出が義務だそうですが、どのような内容の報告書の提出が求められるのか、取得後の働き方の変化も見えてくるのか、興味があります。   災害はいつ起こるかわからない。だからこそ、対策は日常の中ではおろそかになってしまいがち。aeru meguroでも、非常食やお水、災害時の備えをしていますが、いざ起きた時にどこまでお客様を誘導しながら、自分たちの身の安全も守れるかを改めて社員と考える必要があると思います。

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