欧州で日本メーカーのヒートポンプ式暖房機への熱量がアツイ!

パナソニックがドイツ・アーヘン工科大学と電力制御技術を公開。ビジネス機会狙う

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アーヘン工科大が構築した構内の実験設備
 【ベルリン=松中康雄】パナソニックはドイツのアーヘン工科大学(アーヘン市)と共同研究する「ヒートポンプ温水暖房システム向け電力マネジメント技術」を公開した。英国など欧州主要国は2017年にも、電気料金を需要ピークや太陽電池などの発電状況に合わせた変動制にする。

 欧州は暖房の終日使用が多く、家庭の料金負担が上がると予測される。電気料金や各国の環境などに応じた自動制御技術を開発し、床暖房などに使うヒートポンプ需要を喚起する。

 パナソニックは各国の変動制電気料金の導入時期をにらみ、17年頃までに基礎技術を確立。同社が欧州の国・地域で異なる多様な気象、住居などのデータと制御ソフトウエアなどを開発する。

 アーヘン工科大が構築した構内の実験設備と、仮想空間で多様な国・地域の住居を再現して検証する。住居内の快適性を損なわず、気象や電力の状況に応じたヒートポンプ制御でピーク時の電気使用を抑える。

 欧州の住宅設備は暖房専用機が主流で、冷房機や冷房機能付き空調はほとんどない。市場規模は年約500万台でガス暖房が約7割、石油暖房と電気暖房が約1割ずつ。

 だが近年は、床下に湯を通す配管を設けて使う省エネのヒートポンプ暖房機が成長、15年見込みが17万台、25年予測は28万台。現行機は配管内の湯の温度制御のみで暖房はオンオフ制御しかできないが、開発技術で室温制御も可能になる。

三菱電機は欧州子会社に開発機能を移管


2013年7月15日付


 三菱電機は欧州で販売するヒートポンプ式暖房機の設計・開発を英国の子会社に移管する。これまで日本国内の空調の主力拠点である静岡製作所(静岡市駿河区)が担当していた。今後3年間で開発投資に15億円を充て、設計者を新たに採用する。従来型のポンプ式暖房に比べ省エネルギー性の高いヒートポンプ式は欧州市場で成長が期待できる。新機種の投入を迅速化すると同時にコストダウンを進めてシェア拡大を目指す。

 開発・設計に取り組むのはスコットランドの空調事業の子会社「三菱電機エア・コンディショニング・システムズ・ヨーロッパ(M―ACE)」。業務用エアコンとヒートポンプ式暖房機を生産しており、事業規模は約100億円(12年度実績)。中核部品の熱源機を2倍の6種類に増やし、現在約20%のヒートポンプ式の生産比率を3年後に50%に引き上げる。

 15年以降に工場の拡張も計画している。販売が順調に伸びると2年後には生産能力が限界に達する見通しで、倉庫などに活用している建屋に設備を導入する考え。現在、室外機の一部をボイラメーカーにOEM(相手先ブランド)供給しているが、今後は生産に占める自社製品比率を高める。3年間で設備投資に15億円を充てる。

 また今回、M―ACEの敷地内に、暖房機の温度変化などを検証する実証ハウスを稼働させた。2棟の家に約1400のモニタリングセンサーを設置し、ヒートポンプ式暖房機の実稼働データなどを収集する。三菱電機欧州研究所の担当者が常駐し、システムの最適設計を研究面からも後押しする。実証施設は現地の優秀な設計者を採用する狙いもある。

 欧州のヒートポンプ式暖房機の市場は年10万台程度で成長率は年10%超。今後は各国政府の補助金などによる支援策も強化される見込み。同社のシェアは約25%でダイキン工業などとシェア争いをしている。ユニット全体で約100万円するため、原価低減による普及モデルの展開を急ぐ。

 三菱電機は欧州で空調の売上高を15年度に現在比3割増の1400億円(全社では7200億円)以上にする。タイから輸入している家庭用エアコンが占める割合は大きいが、ヒートポンプ式暖房機は年30%以上の成長を目指す。英国やドイツなどの主力市場に加え、今後はロシアや東欧などにも販路を広げる。

日刊工業新聞2015年09月02日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア事業担当 DX統括

2年前の三菱電機の記事も一緒にアップしました。やはり欧州はヒートポンプ。日系ではダイキンと三菱電機が競っています。パナソニックはハードではなく制御から事業拡大を狙う? それにしても三菱電機のイタリアの空調会社買収など冷熱事業のグローバル展開が加速しそう。 ちなみにアーヘン工科大学はドイツの「インダストリー4・0」の学の方で中心的な役割を担っています。

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