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安心感と環境性からLPガスボイラを導入~いにしえの街に宿る肉まんづくりの魂~
シンセイフーズ(三重県明和町)
三重県の松阪市と伊勢市に隣接する明和町。飛鳥時代から南北朝時代にかけて伊勢神宮に仕えた斎王(さいおう)の宮殿跡「斎宮」(さいくう)があり、王朝ロマンが漂う「斎王の街」は、いにしえより水が豊かで、米やひじきなど特産物が多い土地に、井村屋の肉まんなどを徹底した衛生管理で製造する食品製造メーカーがある。
シンセイフーズの前進は運送会社で創業は1969年。井村屋の製品や生乳の運送を行っていたが、競争が激しい業界でなかなか運賃も上がらない中、井村屋の協力もあり、90年に製造会社を立ち上げることになった。
主力製品は井村屋が販売する肉まんやあんまんなどの製造で、販売エリアは、東は東海・北陸・信越地方、西は中国・四国地方まで広範囲に渡る。製品の製造と運送を一手に請け負う「まんじゅうを作る運送屋、運送をやるまんじゅう屋」(潮田敦社長)というユニークな業態が誕生する。
当初は主にコンビニエンスストア向けの冷凍品のまんじゅうを製造していたが、08年から主にスーパーマーケット向けである日配商品に変更した。冷凍品は保存できるため生産計画が立てやすいが、日配商品は消費期限が短く、顧客からのオーダーに合わせて製造するため、日々の製造量が2、3倍程度変動することもあり、取扱いが面倒な商品でもある。
そこで強みとなるのが、自社グループで所有する物流部門だ。他社に輸送を委託する場合、配送先やトラックチャーター数の急な変更にはなかなか応じてもらえないが、これを自社グループで所有していれば、日々の出荷量の変化に応じて柔軟に対応することができる。
潮田社長は「直前に変更があっても、自社グループならドライバーがいれば対応できる」と話す。この製造と物流を一体化したシステムが日配商品の性格とうまくマッチし、主要取引先である井村屋からも大きな評価を得ている。
一方、今年6月、主要熱源をA重油ボイラーからLPガスボイラーに切り替えるという大きな決断を下した。地下埋設タンクの使用年数が30年を超えて老朽化していたこと、また埋設配管が地震などで破損して重油が漏洩するのではないかという安全・環境面での懸念があった。そこで元々取引のあったLPガス販売事業者に相談したところ燃料転換の提案があり、2トンボイラー3台と3トンの民生用バルクを導入する。
通常、この規模の供給設備に設置されるベーパライザーは電気式が多いが、工場全体でのピーク時の電力消費量を削減するため、今回の設備では蒸気式が採用された。ボイラーで発生させた蒸気の一部を気化用熱源として利用することにより、年間80万円程度の電気代削減を見込んでいる。
導入してから間もないためコスト面での効果は未知だが、安全性の向上やメンテナンス性の改善、燃料の残量管理の負担軽減等、十分な効果があると実感している。「一番の決め手は安心感と環境性であり、コストはトントンでもよいと考えている」と潮田社長。
最近はビジネスでも新しい試みにチャレンジしている。宮殿跡「斎宮」には毎年多くの観光客が訪れる。そこで社員の間で観光客向けのお土産として自社オリジナルの商品を開発してはどうか、という機運が高まり約2年の開発期間を経て、酒まんじゅうを完成させた。
その後、SNSや口コミで情報が広まり、県外から購入しにやってくるお客さんも現れるようになった。そして一昨年には斎宮駅近くに、喫茶店と酒まんじゅうの販売を兼ねた施設「斎庵」(いつきあん)をオープン。斎庵はその昔、「いつきのみや」と呼ばれ、斎王の宮殿と斎宮寮という役所があったところに位置する。潮田社長は「販売当初は採算が取れるようになるまで5年ぐらいかかるのではないかと見ていたが、徐々に知名度も上がってきており、5年をかけずに採算がとれる見込みだ」と手応えを感じている。
創業時、工場の周囲には田畑しかなかった、最近は住宅も増え、生活圏のすぐ傍に工場があるというように環境が変化した。安定的な工場運営のためには、周囲環境との調和という面がかかせない。同社では工場からの排水・排気にも細心の注意を払い、浄化装置を取り付けている。また近隣に居住している従業員も多いため、会社に良いイメージを持ってもらえるよう取り組んでいる。
今後は、好調な業績を背景にさらなる工場の増強や、昨今の気候変動で雷が多くなっていることから、「停電時のBCP対策にも取り組んでいきたい」という潮田社長。LPガスが活躍する余地はまだまだありそうだ。
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LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html
LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しており
ます。
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シンセイフーズの前進は運送会社で創業は1969年。井村屋の製品や生乳の運送を行っていたが、競争が激しい業界でなかなか運賃も上がらない中、井村屋の協力もあり、90年に製造会社を立ち上げることになった。
物流部門をグループで持つ強み
主力製品は井村屋が販売する肉まんやあんまんなどの製造で、販売エリアは、東は東海・北陸・信越地方、西は中国・四国地方まで広範囲に渡る。製品の製造と運送を一手に請け負う「まんじゅうを作る運送屋、運送をやるまんじゅう屋」(潮田敦社長)というユニークな業態が誕生する。
当初は主にコンビニエンスストア向けの冷凍品のまんじゅうを製造していたが、08年から主にスーパーマーケット向けである日配商品に変更した。冷凍品は保存できるため生産計画が立てやすいが、日配商品は消費期限が短く、顧客からのオーダーに合わせて製造するため、日々の製造量が2、3倍程度変動することもあり、取扱いが面倒な商品でもある。
そこで強みとなるのが、自社グループで所有する物流部門だ。他社に輸送を委託する場合、配送先やトラックチャーター数の急な変更にはなかなか応じてもらえないが、これを自社グループで所有していれば、日々の出荷量の変化に応じて柔軟に対応することができる。
潮田社長は「直前に変更があっても、自社グループならドライバーがいれば対応できる」と話す。この製造と物流を一体化したシステムが日配商品の性格とうまくマッチし、主要取引先である井村屋からも大きな評価を得ている。
LPガス導入、十分な効果
一方、今年6月、主要熱源をA重油ボイラーからLPガスボイラーに切り替えるという大きな決断を下した。地下埋設タンクの使用年数が30年を超えて老朽化していたこと、また埋設配管が地震などで破損して重油が漏洩するのではないかという安全・環境面での懸念があった。そこで元々取引のあったLPガス販売事業者に相談したところ燃料転換の提案があり、2トンボイラー3台と3トンの民生用バルクを導入する。
通常、この規模の供給設備に設置されるベーパライザーは電気式が多いが、工場全体でのピーク時の電力消費量を削減するため、今回の設備では蒸気式が採用された。ボイラーで発生させた蒸気の一部を気化用熱源として利用することにより、年間80万円程度の電気代削減を見込んでいる。
導入してから間もないためコスト面での効果は未知だが、安全性の向上やメンテナンス性の改善、燃料の残量管理の負担軽減等、十分な効果があると実感している。「一番の決め手は安心感と環境性であり、コストはトントンでもよいと考えている」と潮田社長。
新しいチャレンジに手応え
最近はビジネスでも新しい試みにチャレンジしている。宮殿跡「斎宮」には毎年多くの観光客が訪れる。そこで社員の間で観光客向けのお土産として自社オリジナルの商品を開発してはどうか、という機運が高まり約2年の開発期間を経て、酒まんじゅうを完成させた。
その後、SNSや口コミで情報が広まり、県外から購入しにやってくるお客さんも現れるようになった。そして一昨年には斎宮駅近くに、喫茶店と酒まんじゅうの販売を兼ねた施設「斎庵」(いつきあん)をオープン。斎庵はその昔、「いつきのみや」と呼ばれ、斎王の宮殿と斎宮寮という役所があったところに位置する。潮田社長は「販売当初は採算が取れるようになるまで5年ぐらいかかるのではないかと見ていたが、徐々に知名度も上がってきており、5年をかけずに採算がとれる見込みだ」と手応えを感じている。
創業時、工場の周囲には田畑しかなかった、最近は住宅も増え、生活圏のすぐ傍に工場があるというように環境が変化した。安定的な工場運営のためには、周囲環境との調和という面がかかせない。同社では工場からの排水・排気にも細心の注意を払い、浄化装置を取り付けている。また近隣に居住している従業員も多いため、会社に良いイメージを持ってもらえるよう取り組んでいる。
今後は、好調な業績を背景にさらなる工場の増強や、昨今の気候変動で雷が多くなっていることから、「停電時のBCP対策にも取り組んでいきたい」という潮田社長。LPガスが活躍する余地はまだまだありそうだ。
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LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html
LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しており
ます。
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