三菱ケミカルが米国に作る新工場、建設費高騰でモジュール工法に

工場建設地を再選定、早ければ2023―24年頃の稼働へ

 三菱ケミカルは、米国で検討中のアクリル樹脂原料新工場の建設にプレハブ住宅と同じモジュール工法を採用する。工期短縮や人員低減により、建設費高騰や完成遅延の問題を回避する狙い。米国では着工後の大幅な建設費高騰が深刻で、東芝では経営危機の一因にもなった。三菱ケミカルは同工法の採用を前提に工場建設地を再選定し、早ければ2023―24年頃の稼働を目指す。

 三菱ケミカルは米国でシェールガス由来のエチレンを原料にしたメタクリル酸メチル(MMA)モノマー工場の新設を検討してきたが、建設費高騰により計画は進んでいなかった。モジュール工法により、安価な原料の利点をフル活用した競争力の高い拠点としたい考え。

 モジュール工法は、建築物を複数のユニットに分けて別の場所で生産、輸送し、現地で“レゴブロック”のように組み上げる工法。大規模化学工場での採用事例はまだ少ない。韓国ロッテケミカルが同工法によりルイジアナ州レイクチャールズのエチレン工場を計画通りの予算と期間で完成させたことで、注目されている。

 透明樹脂原料のMMAは家電や自動車部品などさまざまな用途に使われ、三菱ケミカルは約40%の世界トップシェアを持つ。足元は米中貿易摩擦の影響で需要が減少しているが、通常は世界GDP(国内総生産)を上回るペースで伸びる。

 越智仁三菱ケミカルホールディングス社長は、8月上旬に開いた懇談会で、「米国のMMA新工場は、(21年から始まる)次期中期経営計画の重要テーマ」と語っていた。

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日刊工業新聞2019年8月22日

  

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