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ボーイング「777X」仕様策定。日本の製造分担は21%に

機体価格はカタログで約450-485億円。2017年から生産開始
ボーイング「777X」仕様策定。日本の製造分担は21%に

777-9(左)と777-8のイメージイラスト(ボーイング提供)

 ボーイングは現地時間8月27日、大型機777の後継機777Xのうち、最初に開発する777-9について「ファーム・コンフィギュレーション」と呼ばれる仕様策定が完了したと発表した。今後は風洞実験などを実施後、詳細設計に入る。

 777Xは777-8と777-9の2機種からなり、777-9の生産開始は2017年、初号機の引き渡しは2020年を予定。3クラスの標準座席数は777-8Xが350から375席、777-9Xが400から425席、航続距離は777-8Xが8700海里(1万6110キロメートル)、777-9Xは7600海里(1万4075キロメートル)を計画している。エンジンは米GE製GE9Xを採用する。

 ANAが20機導入

 ボーイングでは、競合となるエアバスA350-1000型機との比較で燃費は12%向上し、運航コストは10%減少するとしており、ペイロード(有償搭載量)や燃費の面で優れていると主張している。機体価格はカタログ価格で、777-8Xが3億7100万ドル(約449億4246万円)、777-9Xが4億ドル(約484億5548万円)。

 仕様策定を終えたことで、今後は風洞試験で空力性能や構造負荷の要件を満たしているかを確認し、詳細設計を開始する。

 777Xは、コミットメントを含めると6社から320機を受注。このうち、確定発注は306機となっている。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、2014年7月31日に20機の777-9を777-300ERの後継機として確定発注している。

 日本の分担割合21%

 日本の製造分担割合は、現行の777と同じ主要構造部位の約21%。三菱重工業川崎重工業、富士重工業、新明和工業、日本飛行機の5社が参画する。

 担当部位は777を基本的に踏襲。三菱重工が後部と尾部胴体、乗降扉を、川崎重工が前部と中部胴体、主脚格納部、貨物扉を、富士重工が中央翼、中央翼と主脚格納部の結合、主脚扉、翼胴フェアリング(前部)を、新明和が翼胴フェアリング(中・後部)を、日飛が主翼構成品の製造を担当する。主翼の炭素繊維複合材は、東レが供給する見込み。

 エンジンのGE9Xについては、IHIが低圧タービン部品などを担当。内装では、ジャムコがラバトリーを独占受注している。

 A350-1000が競合

 競合となるエアバスの大型機はA350 XWBで、3クラス280席のA350-800、325席のA350-900、366席のA350-1000の3機種で構成。エアバスでは、A350-1000と777-9を比較した場合、18インチ幅のエコノミークラスシートを1列9席配列とした場合、A350-1000の366席に対して777-9は376席、17インチ幅では398席で、18インチ仕様の777-9はA350-1000と比べて運航コストが12%増、17インチでは7%増加するとして、A350の優位性を示している。

 また、空虚重量(自重)についても、A350-1000と比べて現行機の777-300ERは20トン重く、777-9Xは35トン重いとして、運航性能の高さを主張している。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
ボーイングが777Xの仕様策定。これにより、今後は風洞実験などを実施し、詳細設計に入ります。エアバスA380導入がささやかれるANAは、400席クラスの777-9を20機導入する契約を結んでいます。

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