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ピーチがLCC初の宮崎就航。関空発着の深夜便

みやざき犬とCAダンス
ピーチがLCC初の宮崎就航。関空発着の深夜便

宮崎県のゆるキャラ「みやざき犬」とピーチの客室乗務員

 ピーチ・アビエーションは8月28日、関西-宮崎線を開設した。1日1往復で運航する。宮崎空港へのLCC就航は初めて。同路線は2007年3月まで、全日本空輸(ANA/NH)が運航しており、約8年ぶりの再開。ピーチは関西空港から福岡と長崎、鹿児島へ乗り入れており、九州では4県目の就航となる。

 夜便で観光需要発掘

 運航スケジュールは、宮崎行きMM189便が関空を午後6時25分に出発し、宮崎に午後7時30分着。折り返しの関空行きMM190便は午後8時に宮崎を出て、午後9時5分に関空へ到着する。機材はエアバスA320型機(180席)。

 運賃は片道4590円から2万990円。夜便にすることで、仕事終わりに宮崎や大阪へ向かう観光需要を掘り起こす。また、鹿児島から宮崎への周遊など、九州全域の周遊にもつなげていく。

 宮崎到着初便のMM189便(登録番号JA805P)は、関空の混雑により出発が19分遅れ、定刻より14分遅れの午後7時44分に宮崎へ到着。乗客は169人(うち幼児1人)で、駐機場に到着する前には、消防車の放水アーチで歓迎を受けた。

 搭乗口前で開かれた就航記念イベントには、河野俊嗣・宮崎県知事らが出席。県関係者も100人近く集まり、就航への期待の高さをうかがわせた。

 河野知事は空港のシンボルで、愛称となった「ブーゲンビリア」の花の色と、ピーチの機体カラー「フーシア」を掛け、「ピーチの就航に合わせて“ブーゲンビリア空港”に改称したのではと思うほど」と述べ、「待ちに待った就航。関空と結ばれることで、関西圏との経済や観光、物流のパイプが太くなる」と期待を寄せた。

 イベントでは、地元のゆるキャラ「みやざき犬」と、九州出身のピーチの客室乗務員5人が「ひなたダンス」を披露。イベントを盛り上げた。

 宮崎発初便は、乗客172人(うち1人インファント)を乗せ、定刻より20分遅れの午後8時20分に出発。関空には、午後9時21分に到着した。MM189便とMM190便の乗客には、ピーチのビーチサンダルとバゲージタグなどが記念品としてプレゼントされた。

 ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「宮崎と関西は深いつながりがある。潜在需要を掘り起こしたい」と語った。宮崎県の魅力として、観光地やサーフィンなどレジャーを楽しめる場所があることや、食の充実を挙げた。観光需要に加えて「里帰り需要も狙いたい。電車に乗るように使って欲しい」と呼びかけた。

 関空は単独路線

 宮崎空港と大阪を結ぶ路線は、伊丹線をANAが1日6往復(うち1往復は夏期臨時便)、日本航空(JAL)が1日5往復運航しているが、関空はピーチ単独路線となる。井上CEOによると、当面は夜便として運航していき、朝や昼の時間帯も、可能性を検討するという。

 ピーチは28日から、宮崎線開設を記念したセールを30日夜まで実施しており、関西-宮崎線は片道2290円から。また、同路線の利用で、ポイントの還元やリゾートホテルの宿泊券が当たるキャンペーンを実施している。

 同社は今月8日、国内LCCでは初の羽田発着便となる、羽田-台北(桃園)線を早朝便で開設。関空発着の新路線を開設するのは、2014年2月1日就航の松山線以来となった。宮崎線に続く新路線として、9月4日から那覇-ソウル(仁川)線を開設する。
運航スケジュール
MM189 関西(18:25)→宮崎(19:30)
MM190 宮崎(20:00)→関西(21:05)
 
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
関空拠点のLCC、ピーチ・アビエーションが28日に宮崎就航。宮崎空港へのLCC就航は初めてで、ピーチとしては九州4県目の就航です。河野県知事をはじめ、多くの県関係者が就航式典に出席し、期待の高さをうかがわせました。

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