第1号は“リケジョ”!ミャンマー人留学生に奨学金制度

戸上電機製作所が制度を新設

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戸上電機の工場を見学するカイ・ミン・モさん(中央)
 第1号は“リケジョ”(理系女子)―。
 
 戸上電機製作所は佐賀大学に留学するミャンマー人学生への奨学金給付制度を新設した。初の奨学生は4月から大学院工学系研究科で都市工学を専攻するカイ・ミン・モさん。3月に同社を訪れ、工場を見学した。2015年に迎えた同社創立90周年の記念事業として制度を創設。国際貢献に加えて、本社のある地元への貢献としても実施する。今後も毎年1人を招く。

 戸上信一社長が約10年前にミャンマーを訪れて「いつかこの国のために役に立ちたい」と感じたことがきっかけ。「純粋に社会貢献の事業」(戸上社長)で卒業後の入社義務はない。給付対象は同大学院修士課程で、対象の研究科は工学系と経済学、農学の三つ。専攻分野によっては、同社主力分野である電力機器と関係がないこともある。

 在学中2年間に生活費や学費などとして合計500万円程度を給付。月に一度、同社で面談するなど交流する機会を持つほか、同世代の社員が日常生活に関する相談に乗る体制も備える。(佐賀)

 日刊工業新聞2015年04月06日 電機・電子部品・情報・通信2



◆「人材育成に協力を」ミャンマー科学技術相のコーコーウーさん

 「経済特区(SEZ)への日本からの投資をひきつけ、わが国が発展するためには人材育成が重要」と強調するのは、ミャンマー科学技術相のコーコーウーさん。3月に来日し、日本の政財界の前で講演した。

 ミャンマーは技術系の専門学校を2013―15年までに18校つくり、15―16年にも12校開校する計画だ。「合わせて30校ぐらいになる。1校当たりの学生数は200人のため、将来は6000人の受け皿が整う」と期待を寄せる。
 
ただ、課題は教員・教材不足だ。軍政時代に大学教育を怠ったため、技術を教えられる教員が圧倒的に足りない。また時代に即した教科書もない。「日本の企業関係者にはぜひ人材育成面でもわが国に協力してほしい」と訴える。

日刊工業新聞2015年04月08日 国際面

COMMENT

三苫能徳
西部支社
記者

地理的な近さから、九州はアジア人留学生が比較的多い土地。ただ留学生にも「大手企業志向」があり、卒業後の九州への“引き留め”が地域の課題になっています。ちなみに今のところ、カイ・ミン・モさんは「卒業後は母国に戻る」意向だそう。しかし戸上電機は「ミャンマーと日本の架け橋になれば」と、歓迎しています。

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