化粧品各社、ホテル専用ブランドで差別化

訪日外国人観光客へのアピールにも

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ポーラのホテル専用ブランド「アロマエッセ」
 訪日外国人客の急増による国内宿泊客の増加を受け、化粧品各社がホテル向けアメニティー製品に力を入れている。客室単価やグレードに応じて供給されるシャンプーや石けんといったアメニティー製品にとって客室単価、稼働率向上は追い風。各社は差別化・高付加価値化のツールの一つとして提案している。

 観光庁によると2014年の国内宿泊者数は約4億7350万人。このうち外国人宿泊者数は前年比の33・8%増の約4482万人に増加した。今年1―7月の訪日観光客は約1106万人と1000万人を突破(日本政府観光局)。円安や北陸新幹線開通による国内需要活性化もあり、ホテルの稼働率は高原状態にある。

 こうした中、「ホテルの差別化・個性化戦略にフィットできるブランディングが鍵」と話すのは資生堂アメニティグッズの久田康博社長。ホテル業界では新規出店やリニューアルが続き、部屋ごとのランクや宿泊プランの差別化も進んでいるが、こうした”付加価値を高める“ツールの一つがアメニティーグッズだ。

 ポーラは「非日常空間を演出」(大串透貴is事業部長)をコンセプトに全てホテル専用ブランドでアメニティーを展開。資生堂は専用商品と店頭で発売する商品ブランドの両方を取り扱う。コーセーはホテル商品でも市販ブランドを中心に展開する。ゴルフ場や高齢者施設などの要望にも応じられるよう、価格帯や幅広いサイズなどをそろえて対応する。

 訪日外国人へのアピールも強化する。コーセーは訪日客に人気の「雪肌精」ブランドのアメニティーは「ホテルを選ぶ選択肢の一つとなっている」(コーセーコスメピアの越智寿社長)という。ポーラは大阪の免税店でホテル向け商品を販売。資生堂は、パウチを包むパッケージに桜の形をあしらった和風の専用包装を今年中にホテルに導入予定。

 アメニティー製品の商品開発は市販品と異なる。ボディーソープなどは「泡立ちが良く、泡切れが良い物」が好まれ、作業員が詰め替えしやすい処方が必要。

 容器デザインも重要で、店頭の商品は不透明なボトルが多いが、ホテル向け商品は透明ボトルが多い。透明ボトルは、光が通過するため品質に影響が出るうえ商品が暗く見える。
 ホテルの照明を落としたバスルームに置くと、透明ボトルに光が当たった方がきれいに見えるなど、独特のノウハウが必要だ。
(文=山下絵梨)

日刊工業新聞8月28日付建設・エネルギー・生活面

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神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

外国人観光客に限らず、女性にとってホテルのアメニティは宿泊先選びの重要なポイントです。最近はこれを売りにしているところも多く、バリエーションが広がっているのは嬉しい限り。出張の楽しみでもあります。

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