グーグルが広げる中小企業のデジタル化のすそ野

福岡で全12回の「デジタルワークショップ」を展開する

 米グーグルの日本法人は、中堅・中小企業向けデジタル活用講座を8日から福岡市内で始める。10月まで全12回の「デジタルワークショップ」で、体系的なコンテンツとしては国内初開催。同社調査では日本の中小企業のオンラインサービス活用率は38%で、欧米に比べて半分程度にとどまるという。改善を図り、中小企業の収益拡大に貢献する考えで、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)が運営協力する。福岡市が後援する。

 講座のテーマは「費用対効果がわかるインターネット広告」や「スマホでできるYouTube動画作成」など、実践的な内容を見込む。ふくおかFG子銀行の福岡銀行本店(福岡市中央区)を会場とする。受講は無料。ふくおかFGは傘下行の取引先のデジタル化につなげる。

 開催を前に同市内でキックオフイベントを開いた。グーグル日本法人の中谷公三広告営業本部執行役員は「社会貢献に近い」とし、自社の直接的なビジネス拡大とは切り離した事業であることを強調する。「日本は先進国の中で遅れているが、キャッチアップできるように情報を整理してもらう」と、デジタルサービス全体のすそ野拡大に主眼を置く。

 イベントでは、デジタル活用による売り上げ増や新規顧客の獲得についても、事例や独自調査を基に紹介された。「Googleマップ」上の店舗情報を充実させることで信頼が高まる、といった基礎的な部分から丁寧に説明した。ビジネスの現場への導入を促すことだけでなく、来場した企業経営者の理解を深めることにも力を注いでいた印象だ。

 中谷氏は、講座を通して「手を動かして使ってもらい、理解してもらいたい」と呼びかける。今後、他地域でも展開を計画し、「ワークショップでのフィードバックをもらいながら、必要があればAI(人工知能)などの内容も柔軟に対応したい」考えだ。

 講座は希望するテーマだけを選んで参加できる。

日刊工業新聞2019年7月8日

三苫 能徳

三苫 能徳
07月08日
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銀行の協力は仰ぐものの、基本的にはグーグルの社員が動くとのこと。「社会貢献」の位置づけがあるにせよ、リアルの接点を持ってそこまでやるのかと驚きました。イベントの内容は“町工場の頑固社長”のようなイメージの層に、デジタル導入を促したいという印象でした。日本の企業の99%は中小企業。導入を阻む壁が厚いと同時に、この壁さえ崩すことができれば、大きな市場も拓けるということなのかもしれません。

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