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A判定連発?ロボットは東大に入れるか

国立情報学研の人工知能、センター模試を受験し国立4大学で合格率80%以上のA判定
 国立情報学研究所は2日、人工知能(AI)が全国センター模試を受験して国立4大学6学部に合格率80%以上のA判定を獲得したと発表した。課題だった英語と国語の成績が大幅に向上、数学や物理の失点を補った。A判定大学が前年の404大学816学部から476大学1098学部に広がった。2021年度に東大合格を目指す。

 情報学研のAIプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」で、代々木ゼミナールの全国センター模試を受験。センター模試の受験は13年に続き2回目。プロジェクトを統括する新井紀子情報学研教授は「すべての科目で偏差値50近くとれるようになった。AIがようやく人並みになってきた」と話した。英語や国語など文系7科目の偏差値は45・1から47・3、理系3科目は46・2から49・7に向上した。

<関連書籍>
『ロボットは東大に入れるか』
 本書は、ロボットはどれほどすごい技術でなら東大に入れるのかについて解説する本ではない。ロボット/人工知能/コンピューターが、1秒間に1京回計算でき、チェスや将棋のプロを破りまくり、マイケル・ジャクソン風のダンスを踊れようが、なぜ東大に入ることが難しいのかについて、みんなで考えるために編まれた本なのだ。
 本書は、三つの大きな章で構成されている。第1章では著者が各地の中学、高校、大学で行っている「ロボットは東大に入れるか」と題する講演の様子。第2章は東ロボ君の「全国センター模試」受験の結果と分析。第3章は、学生らとの意見交換会から。(イースト・プレス刊=(電)03・5213・4700、四六判、253ページ、1400円=消費税抜き)
日刊工業新聞2014年11月3日2面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
機械と人間の境界を考える上でも興味深い。

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