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長岡発、地産地消型EVプロジェクト発進!10月に試作車公開

長岡造形大、産学で研究着手
長岡発、地産地消型EVプロジェクト発進!10月に試作車公開

開発中のEVに乗る齋藤長岡造形大教授

 【新潟】長岡造形大学は新潟県長岡市の産業界と共同で、電気自動車(EV)の研究に着手した。同市で開発・生産し、同市で利用する「地産地消」型EVとして開発を進めている。将来は長岡ブランドのEVとして全国展開したい考えだ。10月に一般を対象に開く、オープンキャンパスで試作車を公開する。和田裕学長は「今回のプロジェクトを通して長岡の企業の力を引き出し、産業界の活性化につなげたい」としている。
 
 デザインはホンダで2輪車などをデザインしていた長岡造形大学プロダクトデザイン学科の齋藤和彦教授が担当する。野本製作所がフレーム製造、清水プレス工業所がフレーム部品などの製造、タカキが部品の機械加工、ワドーが塗装をそれぞれ行う。

 現在、前輪が2輪で、後輪1輪を駆動とした1人乗りの3輪車の開発中だ。原動機付き自転車(50cc)のカテゴリーに分類される出力0・6キロワットの電気モーターを搭載し、荷台には間伐材を採用。仕様の変更ができるようにオプションのパーツを用意する。

 コンセプトは家庭菜園など簡単な農作業で使用する農作業車で、道具や収穫物を運搬できるようにする。これをステップに近所への買い物や近距離移動する際にも利用可能にする計画。原付以上で軽自動車未満の手軽に利用できる乗り物を目指す。

 長岡市には一般消費者向けの最終製品を製造する企業が少ないことが産業界の課題となっている。この解決を目指すのが今回のプロジェクトで、長岡鉄工業青年研究会が企業を選定。地産地消からスタートし、同市の技術力を全国的にアピールする。
日刊工業新聞2015年08月24日 中小企業・地域経済面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
農作業用車というコンセプトも地元密着型で良いと思います。まずは地元の人に長く愛されるEVを完成させてほしいものです。

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