AIで船舶の燃料削減、最適航路を提案

 富士通とノルウェーのコングスバーグ・デジタルは6日、温室効果ガス排出削減に向け、人工知能(AI)を活用した船舶燃料最適化(VFO)サービスを始めると発表した。富士通研究所が開発したAIとデータ分析技術を活用。自動船舶識別装置のオープンデータを活用した航路最適化ウェブアプリケーション(応用ソフト)として提供する。

 サービスにより、船長による操船や船舶性能をAIが学習し、これに風や波、海流といった気象や海象予報と組み合わせ、エネルギー効率や安全性、収益性を最大化する最適航路を提案する。

 センサーや船上機器を設置する必要がないため、幅広い船舶で利用できる。船舶エンジンのログ(履歴)やセンサーデータなど、航海データ記録装置から得られるデータを活用したサービスも提供する予定だ。船主や運航事業者は大規模な出費を伴う船上機器を設置することなく、海運事業者による大型船の燃料コストを削減し、新たな低硫黄燃料規制を順守して温室効果ガス排出を減らせる。

 コングスバーグ・デジタルは、海運や電力などの業界向けITサービス企業。VFOサービスは同社が持つプラットフォームのサービスメニューとして提供する。

 船主・運航事業者は欧州連合(EU)規制当局などによる新たな低硫黄燃料規制の順守が求められている。現行の世界の燃料備蓄を2020年1月から「硫黄含有量0・5%以下」とする国際海事機関の新条件を満たす燃料に置き換えた場合、市場予測によると、セクター全体で350億ドルのコスト増となるとされている。

日刊工業新聞2019年6月7日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。