インテル、3Dカメラ技術「リアルセンス」をスマホ、ロボット、ゲームなどに展開

開発者会議「IDF15」でクルザニッチCEOが発表

 3次元空間の深さ測定やマッピング、顔認識、ジェスチャー制御などが行える3Dカメラ技術「リアルセンス」について、開発元のインテルが幅広い製品分野への展開に乗り出そうとしている。18日から20日までサンフランシスコで開かれた開発者会議「インテルデベロッパーフォーラム(IDF15)」で、ブライアン・クルザニッチCEOが、新しいリアルセンス技術について、スマートフォン、ロボット、ゲームなどへの応用事例を披露。「リアルセンスをさまざまなアプリケーションで使われるユビキタスなものにしたい」と強調した。

 リアルセンス技術はこれまで、ノートパソコンやオールインワンのパソコンに搭載され、カメラを通して顔の特徴を認識したり、物体や複数の指の動きを同時に追跡したり、といったことが行える。3次元空間での深さや、物体の相対的な位置をリアルタイムに計測できるため、「ロボットの目」にも応用でき、今年1月のCESでは、リアルセンスを組み込んだ飛行ロボット(ドローン)が木にぶつかることなく、林の中を飛び回る映像も披露された。(今回のキーノートでも紹介)

 IDFで紹介したのは、まずスマートフォン向け。グーグルと協力し、「プロジェクトタンゴ」に対応した6インチのスマートフォンにリアルセンスを組み込んだ初のプロトタイプを発表した。ちなみに、プロジェクトタンゴはグーグルが主導し、タブレットやスマートフォンを使って自分の周囲環境の3Dマップを手軽に作成するプロジェクト。多数の企業や大学などが参画する。

 デモではリビングルームを模したセットを、リア部分に複数のカメラやセンサーの付いたスマートフォンで映しながら、リアルタイムで3Dモデルを作成する様子を見せた。3D空間でスマートフォンを動かした軌跡も、連続した白い線で確認できる。屋内の3Dマッピングはじめ、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)空間の作成、3Dプリンター用のモデル作成などに応用できる。スマートフォン向けのデベロッパーズキットは、アンドロイドの開発者に向けて、年末に提供される予定という。

 続いて壇上のクルザニッチCEOにソフトドリンクを届けるために現れたのが、米ロボットベンチャー、サヴィオーク(Savioke、サンタクララ)の執事ロボット「リレー(Relay)」。ホテルなどで宿泊客に依頼された飲食物や物品を客室まで自動で届けるロボットで、エレベーターもロボット自らが乗り降りする。すでにスターウッドやインターコンチネンタルグループのホテルに導入されているが、リアルセンスカメラを組み込んだ執事ロボットは来年登場の予定。

 クルザニッチCEOは「ロボット産業は今、変革の直前にあると確信している」としながらも、「ロボットはすべて目を持っているが、周囲の変化に対応するための3Dマップや適切なフレームレートについてコスト効果の高いソリューションがなかった」として、3Dマップでロボットをナビゲーションできるリアルセンスの普及に自信をみせた。

 さらに、オープンソース・ロボティクス財団(OSRF)のロボット基本ソフト(OS)「ROS」をリアルセンスがサポートすることも明らかにした。もともとオープンソースのROSはロボットの研究を行うウィロー・ガレージ(メンロパーク)が開発元で、サヴィオークはウォロー・ガレージからスピンオフして設立された。

 このほか、リアルセンスをマックOSやUNIXなど幅広いプラットフォームにも対応させるほか、コンピューターゲームへの展開も計画。リアルセンスでプレーヤーの動きを捉え、それをゲームに取り込むモーショントラッキング装置をゲーム関連ベンチャーの米レイザー(Razer、サンディエゴ)が2016年第1四半期に投入する。

 キーノートの最後では、Core-i7プロセッサーやリアルセンスを組み込んだ大量のクモ型ロボット「スバイダーボッツ」が登場。クルザニッチCEOが腕のジェスチャーでスパイダーボッツを自在に動かしたり、ロボットが音楽に合わせてダンスし、会場を沸かせた。(キーノート映像の1:23:00ころから)

ニュースイッチオリジナル
IDF15でのキーノートスピーチ映像(RealSenseは16:50あたりから)

藤元 正

藤元 正
08月22日
この記事のファシリテーター

パソコン全盛時代の「Intel Inside(インテル入ってる)」のキャッチコピーが懐かしい。実は今回の執事ロボットのモニター部分に表示されたのが、"Intel RealSense Inside"の文字。文面のセンスがいいか悪いかはともかく、インテル、気合入ってる!

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