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ゆっくりがいいね!まちノリ☆ラボが考える「ランドカー」の街づくり活用方法とは?
乗り物の進化とは逆の発想で、社会課題の解決に乗り出す
キーワードは”スロー”。 「まちづくり×ノリモノ」をテーマに、“突き抜けたアイデア”で超絶まちづくりを目指すプロジェクト「まちノリ☆ラボ」(主催:一般社団法人INSPIRE、共催:ヤマハ発動機(株))は、電動小型低速車両“ランドカー”を使った街づくりに乗り出している。スピードとパワーを追求してきた乗り物の歴史とは逆の発想で、「遅いこと」に価値を見いだし、少子高齢化や過疎、人手不足などさまざまな社会問題の解決に挑戦している。ランドカーのベースとなっているのは、ヤマハ発動機が国内で8割を超えるシェアをもつゴルフカートだ。このプロジェクトには、大和ハウス工業、日本IBM、三井物産、楽天、ローランド・ベルガー、NPO法人ETICの6社が協力パートナーとして参画する。
INSPIREは国内最大級の地方創生イノベータープラットフォームだ。谷中修吾代表は「地方創生において、突き抜けたアイデアを持った全国のイノベーターたちを束ねている団体」と説明する。谷中代表は地方創生プロデューサーとして全国区で活躍。現在は東京五輪後の街づくりを設計する小池百合子都知事の特命チームメンバーとしても尽力している。
「開放的で風が気持ちいいね」「低床だから乗り降りしやすい」「エンジンの音がしないから周りの会話が聞こえるね」…。2019年4月に東京都内で開催されたまちノリ☆ラボのキックオフミーティングでは、ランドカーの試乗会も行われ、乗り込んだ人たちの笑顔が弾けた。
少子高齢化や人手不足、交通事故などの社会問題を抱える日本の今後の街づくりと、低速のスローモビリティは相性が良さそうだ。日高祥博ヤマハ発動機社長は「スローモビリティが切り開くラストマイルソリューション」を掲げ、新しい価値の提供に意欲を示す。さらに、同社が興味を持ったのはINSPIREのユニークな発想とスピード感だ。
何らかの課題を発見し、課題を解決するアイデアを出す。ビジネスではこうした問題解決型がほとんどを占める。一方、INSPIREの手法は「イノベーター型」、あるいは「価値創造型」と呼ばれ、強いコンセプト、面白いアイデアが起点になる。「ブレークしている企業はどこもイノベーションもしくは価値創造からスタートしている」と、谷中代表は自信をみせる。
まちノリ☆ラボのキックオフに先立ち、1月に島根県雲南市で、ランドカーの利活用や事業創出のためのアイデアソン(アイデアソンはアイデアとマラソンを組み合わせた造語)が始まった。その後、ヤマハ発動機は4月に雲南市、竹中工務店、NPO法人ETIC.(エティック)との連携協定を結び、同市の交通課題解決や事業創生など、地域に根づく問題に市民とともに取り組むことを決めている。
名付けて「ベジレスキュー」。雲南市で初めて具体化されたアイデアは、ランドカーで地域の余った野菜を回収し、地域の直売所で販売する試み。ドライバーは地域の防災も兼務する。野菜も地域の安全もレスキューするから「ベジレスキュー」だ。このアイデアはわずか数時間でビジュアル化され、翌日に実行された。突き抜けたアイデアを実装するまでのこの極端な速さこそが、“超絶”たる所以だ。
アイデアソンに先立って行われたまちづくりのアイデア募集では、ベジレスキューのほか、町のナンバーワンドライバーを決める”総選挙”や、ランドカーでの嫁入り行列など、ユニークなアイデアが次々と寄せられた。
このフットワークの軽さが同プロジェクトの強みだ。まずアイデアを出し、後付けで地域の社会的課題をひもつける。強いコンセプトを持ったまま、社会的課題を解決するロジックを構築し、マーケティング、ビジネスへとつなげる。INSPIREは全国のイノベーターの集合知として、多くのビジネスデザイン構築のノウハウがある。「事業者がどう稼ぐか、最初から分かってスタートするので、成功の確度は極めて高い。不敗の奥義だ」と谷中代表。
ヤマハ発動機は、二輪車の世界大手であり、船外機では世界トップの輸送機器メーカー。エンジン技術、制御技術、車体・艇体技術の3つのコア技術を磨き、それらを組み合わせることで「人の感性に訴える価値を技術の力で実現することを伝統としてやってきた」(日高社長)と自負する。さらに近年は電動アシスト自転車やドローン、産業用ロボットなどの事業領域の拡大・成長が続いている。
昨年12月に発表した中長期成長戦略では「ART for Human Possibilities, Rethinking Solution」を掲げ、スローモビリティで社会課題を解決する「ヤマハ発動機らしいラストマイルの移動ソリューションの提供」(日高社長)を目指す。
日本の中山間地域では、公共の移動サービス事業が崩壊しはじめ、高齢者の移動を中心とした社会問題が顕在化している中、ランドカーはインフラ依存度や運行リスクを低く抑えられ、低コストで実用的な公共交通サービスを提供できるメリットもある。
ランドカーをベースにした将来の自動運転も視野に入れるヤマハ発動機。人だけではなく、貨物や移動店舗などあらゆる移動サービスにも利用できる。ランドカーだけでなく、電動アシスト自転車や電動車いすなど、同社が持つあらゆるスローモビリティを組み合わせた街づくりで地域の創成に取り組む。
日高社長は「そんな街づくりのノウハウを磨くことで、将来は同じような社会問題を抱えるであろう海外へも輸出したい」と夢を語る。高齢化など社会課題の先進国である日本。小さなスローモビリティは、それを強みにできる大きな可能性を秘めている。
INSPIREは国内最大級の地方創生イノベータープラットフォームだ。谷中修吾代表は「地方創生において、突き抜けたアイデアを持った全国のイノベーターたちを束ねている団体」と説明する。谷中代表は地方創生プロデューサーとして全国区で活躍。現在は東京五輪後の街づくりを設計する小池百合子都知事の特命チームメンバーとしても尽力している。
スローモビリティが切り開くラストマイル
「開放的で風が気持ちいいね」「低床だから乗り降りしやすい」「エンジンの音がしないから周りの会話が聞こえるね」…。2019年4月に東京都内で開催されたまちノリ☆ラボのキックオフミーティングでは、ランドカーの試乗会も行われ、乗り込んだ人たちの笑顔が弾けた。
少子高齢化や人手不足、交通事故などの社会問題を抱える日本の今後の街づくりと、低速のスローモビリティは相性が良さそうだ。日高祥博ヤマハ発動機社長は「スローモビリティが切り開くラストマイルソリューション」を掲げ、新しい価値の提供に意欲を示す。さらに、同社が興味を持ったのはINSPIREのユニークな発想とスピード感だ。
何らかの課題を発見し、課題を解決するアイデアを出す。ビジネスではこうした問題解決型がほとんどを占める。一方、INSPIREの手法は「イノベーター型」、あるいは「価値創造型」と呼ばれ、強いコンセプト、面白いアイデアが起点になる。「ブレークしている企業はどこもイノベーションもしくは価値創造からスタートしている」と、谷中代表は自信をみせる。
まちノリ☆ラボのキックオフに先立ち、1月に島根県雲南市で、ランドカーの利活用や事業創出のためのアイデアソン(アイデアソンはアイデアとマラソンを組み合わせた造語)が始まった。その後、ヤマハ発動機は4月に雲南市、竹中工務店、NPO法人ETIC.(エティック)との連携協定を結び、同市の交通課題解決や事業創生など、地域に根づく問題に市民とともに取り組むことを決めている。
突き抜けたアイデア、スピード実装
名付けて「ベジレスキュー」。雲南市で初めて具体化されたアイデアは、ランドカーで地域の余った野菜を回収し、地域の直売所で販売する試み。ドライバーは地域の防災も兼務する。野菜も地域の安全もレスキューするから「ベジレスキュー」だ。このアイデアはわずか数時間でビジュアル化され、翌日に実行された。突き抜けたアイデアを実装するまでのこの極端な速さこそが、“超絶”たる所以だ。
アイデアソンに先立って行われたまちづくりのアイデア募集では、ベジレスキューのほか、町のナンバーワンドライバーを決める”総選挙”や、ランドカーでの嫁入り行列など、ユニークなアイデアが次々と寄せられた。
このフットワークの軽さが同プロジェクトの強みだ。まずアイデアを出し、後付けで地域の社会的課題をひもつける。強いコンセプトを持ったまま、社会的課題を解決するロジックを構築し、マーケティング、ビジネスへとつなげる。INSPIREは全国のイノベーターの集合知として、多くのビジネスデザイン構築のノウハウがある。「事業者がどう稼ぐか、最初から分かってスタートするので、成功の確度は極めて高い。不敗の奥義だ」と谷中代表。
「強み」を磨き、あらゆる移動サービスで世界に
ヤマハ発動機は、二輪車の世界大手であり、船外機では世界トップの輸送機器メーカー。エンジン技術、制御技術、車体・艇体技術の3つのコア技術を磨き、それらを組み合わせることで「人の感性に訴える価値を技術の力で実現することを伝統としてやってきた」(日高社長)と自負する。さらに近年は電動アシスト自転車やドローン、産業用ロボットなどの事業領域の拡大・成長が続いている。
昨年12月に発表した中長期成長戦略では「ART for Human Possibilities, Rethinking Solution」を掲げ、スローモビリティで社会課題を解決する「ヤマハ発動機らしいラストマイルの移動ソリューションの提供」(日高社長)を目指す。
日本の中山間地域では、公共の移動サービス事業が崩壊しはじめ、高齢者の移動を中心とした社会問題が顕在化している中、ランドカーはインフラ依存度や運行リスクを低く抑えられ、低コストで実用的な公共交通サービスを提供できるメリットもある。
ランドカーをベースにした将来の自動運転も視野に入れるヤマハ発動機。人だけではなく、貨物や移動店舗などあらゆる移動サービスにも利用できる。ランドカーだけでなく、電動アシスト自転車や電動車いすなど、同社が持つあらゆるスローモビリティを組み合わせた街づくりで地域の創成に取り組む。
日高社長は「そんな街づくりのノウハウを磨くことで、将来は同じような社会問題を抱えるであろう海外へも輸出したい」と夢を語る。高齢化など社会課題の先進国である日本。小さなスローモビリティは、それを強みにできる大きな可能性を秘めている。