国内で発信される全ツイートを即時に分析、話題をリアルタイムに取り出す!

国立情報学研究所特任助教・林浩平氏

  • 4
  • 1
国立情報学研究所ビッグデータ数理国際研究センター特任助教 林浩平氏
 【国立情報学研究所ビッグデータ数理国際研究センター特任助教 林浩平氏】
 現在、最も迅速な文字メッセージの発信ツールと言えば、ツイッターだ。動画メッセージを中心とする新サービスが登場し、全盛期ほどの勢いは見られないものの、ツイッターの月間アクティブユーザー数は全世界で3億人を突破。1日に5億件以上、毎分30万件を超えるツイートが世界中を飛び交う。その中でも日本は、毎分6万件がつぶやかれる”ツイッター大国“だ。

 「ツイートを解析すれば、今、世界でリアルタイムに何が起こっているかが、どんな媒体よりも早くキャッチできる」。国立情報学研究所の林浩平特任助教は、最先端の情報の宝庫であるツイッターを高速に解析する計算手法を提案した。

 ツイートに頻繁に登場する単語と単語の結びつきを解析する新しいアルゴリズムを考案。ツイッター上で活発に繰り広げられている「話題」をリアルタイムに取り出すことに初めて成功した。「国内で発信される全ツイートを即時に分析できる高速性能が特徴」だ。先週開かれた国際会議で発表し、会場を沸かせた。

 日本における宇宙物理学の草分けであり、京都大学名誉教授だった林忠四郎氏の孫で、父も高校の数学教師という理系一家に育った。高校時代までは読書に没頭し、「祖父や父から学問を教えられたことはあまりない」そうだが、その遺伝子はしっかりと受け継ぐ。

 立命館大学を卒業した後、情報系に強い奈良先端科学技術大学院大学へ入学。「日本中からモチベーションの高い学生が集まり、刺激を受けた」という。博士論文で、「テンソル分解」と呼ぶ既存の方法を拡張した新しい関係データ解析の手法を提案し、この成果により、2012年に「最優秀学生賞」を受けた。

 学位取得後も研究を続けて、電力需要の予測などに使える新規のモデル選択法を提案。15年4月には「船井研究奨励賞」を受賞した。学生時代からNECと共同研究を行うなど、成果も社会に還元しつつある。

 専門は機械学習。はやりの人工知能とは多少異なり、「人間にできることを機械にやらせる実践的な手法」だ。「仮説を基にプログラムを書き、数学の理論でそれを証明できたときはうれしい」。日進月歩の情報分野では、若手が最前線をゆく。
 (藤木信穂)

日刊工業新聞2015年08月19日 科学技術・大学面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

データ解析はこれからますます必要性が高まってくると思います。若き研究者ならではの柔軟な視点、これからの活躍に期待します!

関連する記事はこちら

特集