国内最古の遊具で空中散歩、奈良の生駒山上遊園地

 標高642メートル。東京スカイツリーより高く位置する「生駒山上遊園地」(奈良県生駒市)に、国内最古の大型回転遊具「飛行塔」がある。飛行機形をした7人掛けのゴンドラ4機がワイヤで浮上し、反時計回りに旋回する。青空の下、5分間の空中遊覧が楽しめる。

 眼下には大阪平野と奈良盆地が広がり、天気が良ければ130キロメートル以上離れた小豆島まで見渡せる。夜は大阪平野一帯の無数の明かりが、宝石のごとく輝く。生駒市商工観光課の奥田茂課長は「神戸の『100万ドルの夜景』にも負けてない」と太鼓判を押す。

 飛行塔の誕生は遊園地開園と同じ1929年。遊園地は大阪電気軌道(現近畿日本鉄道)が沿線開発を目的に作り、鉄骨などの資材を山頂まで運び飛行塔を製作した。太平洋戦争中は日本軍が接収し、敵機を見張る防空監視所として使ったが、役目を与えられたことで金属類回収令による解体は免れた。戦後は近鉄のファミリー遊園地として発展していく。

 近年は大型テーマパークに押され、一時の勢いはないが、飛行塔は今でも親子連れや登山に訪れた中高年ハイカーらに人気だ。年間14万人が乗車する遊園地のシンボルで、訪れた日も多くの家族連れでにぎわっていた。生駒山に89年間立ち続ける飛行塔。戦争を乗り越えて今に至る歴史の重みを感じ空の散歩を楽しむのも悪くない。(村上授)

【アクセス】▽奈良県生駒市菜畑2312の1▽公共交通機関=近鉄奈良線・生駒駅からケーブル線に乗り換えて生駒山上駅下車すぐ。車=阪奈道路登山口ICから信貴生駒スカイラインで生駒山上遊園地下車すぐ。木曜日が休園。営業時間は10―17時だが夏季は時間延長あり。入園無料。飛行塔の乗車は1人500円が必要。

日刊工業新聞2018年6月18日

  

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