花粉症ランナーもこれで安心!?
ナノ素材使った通気性抜群のマスク、信州大学と中小企業が連携し開発
信州大学と言えば、日本で唯一の繊維学部が有名だ。国際ファイバー工学研究所の金翼水(キムイクス)准教授は2010年に、直径が数十ナノメートル(ナノは10億分の1)の微細な繊維「ナノファイバー」を量産する世界初の装置を開発した。研究レベルにとどまっていたナノファイバーの応用を切り開いた。
同装置を知り、素早くアプローチしてきたのが、不織布を製造する亀山製絲(三重県亀山市)。同社が次世代の製糸のあり方を模索していた頃で、「ナノファイバーを取り入れたい」と田中社長は自ら金准教授を訪問し、2週間にわたって共に計画を練った。「少ない開発コストで、商品化に時間がかからないマスクを開発しよう」と金准教授が提案し、共同研究がスタートした。
さらに、信州大発ベンチャーのナノア(東京都千代田区)がマスクの製造・販売などを担当。こうして14年に完成したのが、ナノファイバーを織り込んだ世界初の一般向けマスク「アエルマスク」だ。
従来の不織布フィルターに比べ、約20分の1以下となる直径100ナノメートルの粒子をカットするナノファイバーフィルターを採用し、抗菌作用も持たせた。花粉や「粒子状物質(PM)2・5」対策のほか、通気性が高く、呼吸しやすいため、スポーツ時にも有効という。
15年の東京マラソンの会場で無料配布した。また、ジェフユナイテッド市原・千葉のオフィシャルサプライヤーとして、選手の健康維持のために同マスクを提供している。
同装置を知り、素早くアプローチしてきたのが、不織布を製造する亀山製絲(三重県亀山市)。同社が次世代の製糸のあり方を模索していた頃で、「ナノファイバーを取り入れたい」と田中社長は自ら金准教授を訪問し、2週間にわたって共に計画を練った。「少ない開発コストで、商品化に時間がかからないマスクを開発しよう」と金准教授が提案し、共同研究がスタートした。
さらに、信州大発ベンチャーのナノア(東京都千代田区)がマスクの製造・販売などを担当。こうして14年に完成したのが、ナノファイバーを織り込んだ世界初の一般向けマスク「アエルマスク」だ。
従来の不織布フィルターに比べ、約20分の1以下となる直径100ナノメートルの粒子をカットするナノファイバーフィルターを採用し、抗菌作用も持たせた。花粉や「粒子状物質(PM)2・5」対策のほか、通気性が高く、呼吸しやすいため、スポーツ時にも有効という。
15年の東京マラソンの会場で無料配布した。また、ジェフユナイテッド市原・千葉のオフィシャルサプライヤーとして、選手の健康維持のために同マスクを提供している。
日刊工業新聞2015年08月18日 科学技術・大学面連載「広がる 大学と中堅・中小連携」