「ピアノ貯金」新興国でも!ヤマハが“電子”で利益率13%に挑む

 ヤマハは2022年3月期に連結事業利益率(国際会計基準)13・8%(19年3月期見込み比1・9ポイント増)を目指す、3カ年の新中期経営計画を策定した。新興国で拡大する中間所得層向けに電子ピアノなどを拡販し、特にインドの売上高は19年3月期見込み比50%増を見込む。3年間累計の設備投資額は900億円を計画し、海外工場の自動化などに充てる。

 中田卓也社長は「デジタルマーケティングを軸に、顧客のニーズ獲得を強化し、価値創造力を高めていく」と強調した。楽器事業では中国のピアノ販売シェアを、現状の36%から40%に拡大する。部品・装置事業では、既存の車載ハンズフリー通話モジュールの技術を基にオーディオシステム分野への参入を目指す。

日刊工業新聞2019年4月24日



「音楽こそ世界を結ぶ大きな絆」


 「今から毎月1000円貯金をすれば、ちょうどいいお年頃にピアノが買えます」―。元ヤマハ社長の川上源一さんが始めたといわれる“ピアノ貯金”。赤ちゃんが生まれると親を口説いて、積み立てを促したという。

 幼児期から「音楽教室」に通わせ、10歳頃にピアノを購入してもらうビジネスモデル。「ピアノを買って」ではなく「音楽に親しんで」で販売を伸ばした。1970年代に第2次ベビーブームが到来すると、一気に家庭に普及し、生産台数で世界一になった。

 少子化や電子ピアノの普及で、国内市場はピークだった80年前後の10分の1以下に縮小した。ただ、かつての日本に似た現象が中国で起こっているという。子どもに音楽教育を受けさせることは豊かさの象徴なのである。

 現在、生産台数は中国メーカーがトップだが、品質に定評のある日本製の人気は高い。中国に続いて、ベトナムなど東南アジアやインドでも音楽教育の機運が高まっているという。

 川上さんは「音楽こそ世界を結ぶ大きな絆」という言葉を残した。グローバル化や技術革新により、製品がすぐにコモディティー(日用品)化する時代。今こそ楽器に限らず、世界を舞台とした仕掛けづくりの知恵が問われている。

日刊工業新聞2018年2月13日

  

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