全固体リチウム電池の実用化は加速するか、材料プレス装置の仕組みとは?

新東工業がLIBTECから受注

 新東工業は、国のプロジェクトとして全固体リチウムイオン電池(全固体LIB)の基盤技術を開発するリチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC、大阪府池田市)から、全固体LIBの材料生産用に高圧ロールプレス装置「RLP―H600」を受注した。材料の粒度をそろえて最小で直径2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に短時間で粉砕できる。他研究機関や企業にも売り込む。

 回転する直径420ミリメートルの上下2本のロールの間に材料を通して粉砕する。下ロールの下部に斜度が極めて小さいくさび機構を差し込み、下ロールを持ち上げる構造とした。最大60キロニュートンの高加圧力を引き出した。

 油圧制御が一般的だったくさび機構の駆動は、ボールネジによる電動とした。上下ロールの間隔をマイクロメートル級で制御し、材料を任意の粒度の粉体にできる。油圧機構を使わないため油漏れの心配もない。全固体電池は材料中の水分量を極力抑えるためドライルームで生産するなどクリーン度の要求が高く、同社装置はこの要求にも対応する。

 LIBTECはLIB材料の高度化を目指す関連メーカーによる技術研究組合で、理事長はリチウムイオン二次電池を開発した吉野彰旭化成名誉フェロー。18年からは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、自動車や電池、材料の各メーカーの技術者が集まり、基本設計や量産技術、試験評価法など全固体LIBの要素技術を開発している。

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