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【今週のリケジョ】介護用入浴装置を製品化

エア・ウォーター 郷田玲央奈さん
【今週のリケジョ】介護用入浴装置を製品化

          

 エア・ウォーター総合開発研究所の郷田玲央奈さん(32)は、産業ガスなどグループ250社超の幅広い分野の製品開発を担当する。「常に複数テーマに関わっています」と話す。2018年には育休明けから関わった介護用入浴装置を製品化した。仕事と子育てを両立しながら管理職を目指す。

やったもん勝ち、楽しく


 工学系より物事の理(ことわり)の追求のため大阪大学大学院理学研究科の化学を専攻しました。通常ではわずかな人しか見たことのない重アクチノイドなど重い元素を加速器でつくり、性質や挙動などを研究していました。ただ、進路としては基礎研究を続けるより、製品開発に近い企業に就職したい思いが強くなりました。

 エア・ウォーターに入社して良かった点は幅広い分野のテーマに携われることです。産業ガスと農業を結びつけシナジーも出していけます。介護用コンパクトシャワー入浴装置「シャワーオール」は初めて製品化まで担当しました。近年は二酸化炭素の排出規制が厳しい中、炭酸回収技術など環境テーマが増えています。

 研究所の平均年齢は30代前半です。昨年プロセス開発グループ主任となりました。中堅の立場ですが、結婚・出産して職場復帰した女性研究者はまだ少ないです。産休前はガンガン開発する毎日でしたが、職場復帰後はすぐに同じようにはできません。

 そうした中、職場復帰の翌年に女性活躍プロジェクトが始まり、女性代表として2年間活動しました。フレックスタイムや時短の範囲拡充など制度面が充実しました。“やりたいことをやったもん勝ち”と楽しく仕事をしています。いま研究部門に女性管理職はいませんが、管理職になるのが将来の目標です。
(文=大阪・香西貴之、写真=同・清家史彦)
           

日刊工業新聞2019年4月1日

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