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小型機の代名詞「セスナ」、特殊任務にニーズあり

兼松が国内販売代理権を取得
小型機の代名詞「セスナ」、特殊任務にニーズあり

セスナのビジネスジェット「サイテーションシリーズ」の中型機「ソヴリン」

 兼松は、官公庁向けに米セスナ・エアクラフト・カンパニー製ビジネスジェット機の本格販売に乗り出す。官公庁では航空機を主に飛行検査用などの特殊任務機として発注するケースが多く、今後は老朽化した機体の入れ替えが見込まれる。従来から培ってきた販売ノウハウとセスナの豊富な商品群を活用し、今後10年間で50機以上、600億円以上の販売を目指す。

 兼松はセスナが生産する「サイテーションシリーズ」について、このほど日本での官公庁向け販売代理権を取得した。同シリーズは開発中の1機種を含めて、最大搭乗者数6―12人、最大航続距離約2200キロメートル―約7400キロメートルまでの全9機種で構成する。

 兼松は2013年に国土交通省航空局から、同シリーズ3機を受注している。航空機の航路確認や誘導施設の機能検査のための飛行検査機として、検査装置の据え付けや機体の改修を施した上で15年度内に引き渡す予定。今回、この取引実績が評価され、セスナから日本での官公庁向け販売契約を獲得した。民間向けはセスナが直接販売する。

 飛行検査や救難捜索向け特殊任務機は、通常の機体をベースに装置の据え付けや機体のカスタマイズなどの改修を施す必要がある。兼松は発注者の機体の運用方針などをセスナや改修業者に伝えつつ改修工程も管理することで、利用に最適な機体開発につなげる。

 兼松は90年代前半、航空自衛隊向けに31機を飛行検査機と救難捜索機用として納めた実績を持つ。今後はこれらの機体の入れ替えに加えて、海上保安庁などでも機体刷新の動きがあるなど、官公庁でのジェット機の需要拡大が見込まれる。
日刊工業新聞 2015年08月12日1面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
お分かりの方もいらっしゃると思いますが、「セスナ」は機体名でなくメーカーの名前です。 兼松といえば、2013年にはカナダ・ボンバルディアが開発中の旅客機「Cシリーズ」(約100~150人乗り)の国内販売代理契約も取得しました。Cシリーズは開発が長引いており、ボーイング・エアバス機との競合も厳しく、かつ国内では国産旅客機「MRJ」とも一部競合しかねない機体。それに対して今回のセスナ機は安定した需要が見込まれます。今回は「売れる」と思います。

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