VWや現代も失速した中国自動車市場 日本勢は大丈夫か

販売は増で健闘するも、値引き競争による消耗戦続く

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中国市場では自動車の価格低下が続いている(上海モーターショーでのVWのブース)
 「景気減速の影響が出て変調を来している」(大竹哲也トヨタ自動車常務役員)、「4月から6月まで悪化し7月はもっと厳しい」(日産自動車の関潤専務執行役員)。2015年4―6月期連結決算の会見では中国自動車市場の厳しい見方が相次いだ。市場の減速感が強まる中、値下げによる販売競争が激しさを増している。

 中国自動車工業協会(CAAM)によると新車販売は7月まで4カ月連続の前年同月割れ。景気減速が販売に影を落とす。失速が目立つのが最大手の独フォルクスワーゲン(VW)だ。1―6月は前年同期比3・9%減、韓国・現代自動車も同7・7%減となった。

 販売をテコ入れしようと値下げが相次いでいる。VWは「パサート」など主力モデルで最大2万元(40万円)の優待キャンペーンを実施。米ゼネラル・モーターズも5月に価格引き下げを発表、一部モデルのグレードの下げ幅は5万4000元(約110万円)にも達する。中国市場に詳しい調査会社フォーインの平野孝治氏によれば「これはメーカーの希望小売価格でディーラーがさらに値引きして販売している」。

 欧州・韓国勢の販売減とは逆にトヨタ、ホンダ、マツダなど日本勢は販売増で健闘しているが、トヨタの大竹常務役員は「販売価格を下げる厳しい環境だ。台数が伸びても収益的に楽観はできない」と指摘する。競合の値下げ攻勢に応戦せざるを得ない状況だ。

 中国自動車流通協会(CADA)によれば、6月のディーラー在庫早期警戒指数は64・6で、警戒ラインとする50を9カ月連続で超えている。流通在庫の過剰が販売競争激化の背景にある。さらに7月以降の株価急落が輪をかける。「株価の影響は間違いなくある」と日産の関専務執行役員は話す。現にCAAMによれば7月の新車販売は前年同月比7%減と下げ幅が拡大した。

 高級車市場への影響を指摘する声もあるが、平野氏によれば中国最大の市場を形成する小中型の「Cセグメント」で販売低迷につながっている。中国株式市場は一般投資家が多く、Cセグメントの客層が多い一般市民の購買意欲をそいでいるからだという。

 「需要は株価に連動する。株価が乱高下し上昇基調が見えにくいから需要も弱さが続く」とみるのは浜銀総合研究所の深尾三四郎主任研究員。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは「販売競争はしばらく続く。どのメーカーもこの競争から逃れるのは難しいだろう」とみる。市場の低迷が続けば販売競争は消耗戦の様相を強めそうだ。
(文=池田勝敏)

日刊工業新聞2015年08月14日1面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

民族系の落ち込みが激しい。バブル分がはげ落ちた影響を一番受けている。いずれ民族系の再編に行くだろう。ドイツ、VWはいずれ反転する。全産業でいえることだが、中国企業と競合するような政策をとった韓国メーカーは厳しい。意外と米国勢ががんばっている。まだまだ中国の自動車市場の成長潜在力はあり、リセッションが終わった時にどこが抜け出すか。つらいところだが、我慢しきれず変なインセンティブの乱発でブランドイメージを毀損しない方がいい。最終的には製品力になってしまうのだけど。

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